第75話 二人の会話 薬師の噂

「アーシュ 成長って言ったら 

今朝 森の奥深くに住む薬師で魔法使いのジェンが」


「あのジェンか?

俺の身体を子供して 俺の記憶も吹っ飛ばした張本人」

思いきり口元をゆがめ 目は半開きになっているアーシュ


「御話は途中・・最後まで聞く・・」エイルはやれやれという感じで言う


「はいはい・・どうぞエイル」アーシュ 相変わらずの渋い顔


「僕の身体を診察してくれて それから・・」


「それから?」


「アーシュの身体がちゃんと成長してるか確認するから来てねって

もし、何か用事が出来て いなくても ワン子という御弟子さんがいるって」


「ワン子?」

「犬の姿で2本足で立ってて・・言葉もちゃんと喋れるらしいよ

早く会ってみたいね」


「ふうーん まあ 確かに もし成長が止まったままじゃ心配だしな」


「・・ところで エイル・・」


「何・・一応 俺の事はともかく 女の性を選ぶんだろう?

そろそろ・・僕じゃなくて 私にしたら?」アーシュ


「う・・うん そうだね」エイル 軽く冷や汗


「俺の覚書・・自分の日記を読んだけけど あまり書いてなかったが

エイルに黒の言葉を教えたの?俺?」


「そう、なかなかのスパルタだった

結構 今と違ってちょっと意地悪だったし・・」


「エイルが望むなら 幾らでも意地悪になれるぞ」ふふ~んと笑うアーシュ


「それは 許してね」エイル


この時 二人はワン子さんと初めて会った時に 

そこで 事件に巻き込まれるとは思いもしない


それはまた別の御話

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