第35話 羽琴の姫 エリンシア姫の悲劇

「・・・本来なら 私とアーシュ兄様は

お前達は 運命の一対だと

私の父 先読みの力を持った先の黒の王 竜の王は言ったわ


独占欲は母親譲りで強くて 欲深く嫉妬深い方なの

アルでも 第二王妃になるのは 私は嫌がったかもね・・」


「でも アーシュ兄様が選んだなら

相手は あのアルだし・・なんとか納得したかもしれない」


アムネジアの焔の瞳が赤く輝き エイルを睨む

今度は黒の国の言葉で話し出す


「どうして どうして そんなに貴方はエリンシア姫に似てるの!


そんな優しい気性まで!やりにくいじゃない

こんなに憎いはずなのに!

許したくなる!


ああ、可哀そうなエリンシア姫 黒の王宮の陥落の際

ヴァン伯爵の兵士達に・・ヴァン伯爵にも乱暴され


身ごもっていた 

先の黒の王・・私の父か リュース公の子供を流産して」


「!! 兵士達に・・ヴァン伯爵が乱暴した!

それに 身ごもっていたって!


叔母様・・いえ エリンシア姫 本当なの? 僕の実の母親」


そう言われて エイルには思い当たるふしが あった

そうだったんだ

やはり 叔母様・・いや エリンシア姫は 僕の


「エリンシア姫・・お・・お母様は生きてるの?」

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