第6話 地獄のメルビン(9)
5人が洞窟を出ると、そこはシリンド山の頂上近くだ。その下を雲が流れている。こんなにも高い所に登ったのか。5人は驚いた。
「こんな高くまで登ったんだ」
「すごいな。洞窟がこんな所までつながっているなんて」
5人は雲海を見下ろして息を飲んでいた。
「ついに来たか」
誰かの声に気付き、5人は振り向いた。そこには、金色に輝く巨大なドラゴンゾンビがいる。
5人はそのドラゴンゾンビのいる頂上に向かった。そこは草木が生えておらず、土や岩がむき出しになっている。
「お前は、メルビン!」
バズはその男を知っていた。『地獄のメルビン』の異名を持つ神龍教の十二使徒、メルビンだ。
「よく覚えていたな、バズ」
「当たり前さ。メルビンの残虐さはあまりにも有名だもの」
サムもバズもメルビンがどれだけ残虐かを知っていた。誰も手が付けられないほど暴力的だ。
「闇竜神ダエドを解放しろ!」
「あいにくだが、それはできねぇな! 偉大なる創造神王神龍様の命令でよぉ」
メルビンは生意気な表情だ。メルビンはシリンドタウン一のいじめられっ子だった。町全体が敵となり、メルビンをいじめた。メルビンは彼らに仕返しをしようと、不良になった。メルビンはいじめによって誰にも手が付けられない不良になってしまった。
だが、そこを王神龍に見抜かれ、神龍教の信者となった。不良としての凶暴さも相まって、メルビンの実力は確かだった。そして、メルビンはあっという間に十二使徒にまで上り詰めた。
「ならば、おまえを倒して解放してやる!」
「いいぞ!」
すると、周りが光り輝いた。5人は驚いた。
光が収まると、そこは空が赤い場所だ。地獄だ。その周りでは地獄流しにあったゾンビが重労働を課せられていた。
「サラ、ここで息絶えろ! そして、お前らも地獄流しにあうんだ」
その時、1人のゾンビが反応した。なんとそのゾンビは、サラの母、マーロスだ。やはりここで地獄流しにあっていたようだ。だが、サラは気づいていない。
メルビンが襲い掛かってきた。
「炎の裁きを!」
バズは魔法で巨大な火柱を起こした。だが、メルビンはびくともしない。
「痛くもかゆくもないわ!」
メルビンは笑みを浮かべている。絶対に勝てると思っている。
「天の裁きを!」
サムは魔法で強烈な雷を落とした。それでもメルビンはびくともしない。
「食らえ!」
レミーは炎を帯びた剣で何度も斬りつけた。メルビンの表情は全く変わらない。
「覚悟しろ!」
マルコスは炎を帯びた爪で何度も引っかいた。だがメルビンの表情は全く変わらない。メルビンはいまだに笑みを浮かべている。
「貴様らに勝ち目はない! ここで息絶えろ!」
メルビンは目を青白く光らせた。突然、マルコスとサムは苦しみ出し、倒れた。
「不死鳥の力を、我に!」
サラは不死鳥となって、マルコスとサムを復帰させた。
「炎の裁きを!」
バズは魔法で溶岩を起こした。メルビンの体に火が付いた。だが、それでもメルビンの表情は変わらない。
「そんなんで勝てると思ってるのか?」
メルビンは自信満々な様子だ。
「星の裁きを!」
サムは魔法で大量の隕石を落とした。メルビンは大きなダメージを受けたが、びくともしない。
「それっ!」
レミーは空高く飛び上がり、雷を帯びた剣で斬りつけた。メルビンの体はしびれない。
「痛くもかゆくもないわ!」
メルビンは不敵な笑みを浮かべている。
「食らえ!」
マルコスは炎を帯びた爪で何度も引っかいた。メルビンはびくともしない。
「グルルル・・・」
メルビンは地獄の炎を吐いた。5人は非常に大きなダメージを受け、マルコスとレミーとバズは倒れた。
「不死鳥の力を、我に!」
サラは不死鳥となって、マルコスとレミーとバズを復帰させた。
「俺には見える! お前は負ける!」
メルビンは不敵に笑っている。
「炎の裁きを!」
バズは魔法で巨大な火柱を起こした。それでもメルビンはびくともしない。まるで効いていないようだ。
「こんなんで勝てると思ったら大間違いだぞ!」
メルビンはいまだに不敵に笑っている。
「星の裁きを!」
サムは魔法で大量の隕石を落とした。メルビンには効いていないようだ。
「食らえ!」
レミーは空高く飛び上がり、炎を帯びた剣で何度も斬りつけた。メルビンの表情は変わらない。
「こんな攻撃、痛くもかゆくもないわ!」
メルビンは不敵に笑っている。
「覚悟しろ!」
マルコスは炎を帯びた爪で何度も引っかいた。メルビンはびくともしない。
「わかっているのか? 何度戦っても勝ち目はない! 死ね!」
メルビンは青い目を光らせた。突然、マルコスとサムとレミーは苦しみ出し、倒れた。
「不死鳥の力を、我に!」
サラは不死鳥となって、マルコスとサムとレミーを復帰させた。
「星の裁きを!」
バズは魔法で大量の隕石を落とした。メルビンには全く効いていないようだ。
「勝てない! お前は負ける!」
メルビンは高笑いした。
「大地の裁きを!」
サムは魔法で大きな地響きを起こした。メルビンは驚いたが、すぐに気を取り戻した。
「それっ!」
レミーは姿を消して、炎を帯びた剣で何度も斬りつけた。見えない攻撃にメルビンは驚いたが、びくともしない。
「無駄だ! 諦めろ!」
メルビンは自信に満ちている。
「覚悟しろ!」
マルコスは炎を帯びた爪で何度も引っかいた。だがメルビンはびくともしない。
「死ね!」
メルビンは青い目を光らせた。マルコスとサムとバズは突然苦しみ出し、倒れた。
「不死鳥の力を、我に!」
サラは不死鳥となって、マルコスとサムとバズを復帰させた。
「炎の裁きを!」
バズは魔法で巨大な火柱を起こした。メルビンの表情は変わらない。
「雪の裁きを!」
サムは魔法で猛吹雪を起こした。それでもメルビンの表情は変わらない。
「諦めろ! そしてお前らはここで死ぬんだ!」
メルビンは不敵に笑っている。
「食らえ!」
レミーは空高く飛び上がり、炎を帯びた剣で何度も斬りつけた。メルビンには全く効いていないようだ。
「覚悟しろ!」
マルコスは炎を帯びた爪で何度も引っかいた。だがメルビンはびくともしない。とても体力が高いようだ。
「ここで息絶えるがよい!」
メルビンは青い目を光らせた。サラ以外の4人は苦しみ出し、倒れた。
「不死鳥の力を、我に!」
サラは不死鳥となって、4人を復帰させた。
「星の裁きを!」
バズは魔法で大量の隕石を落とした。メルビンは少し表情が苦しくなったが、すぐに持ち直した。
「炎の裁きを!」
サムは魔法で巨大な火柱を起こした。メルビンは少し表情が苦しくなった。
「それっ!」
レミーは空高く飛び上がり、炎を帯びた剣で何度も斬りつけた。メルビンは表情が苦しくなった。
「食らえ!」
マルコスは炎を帯びた爪で何度も引っかいた。メルビンはますます表情が苦しくなった。
「諦めろ!」
メルビンは瞑想をして、体力を大きく回復した。結局また振り出しだ。
「ガオー!」
サラは力強く羽ばたき、炎の竜巻を起こした。メルビンは目を回したが、体力はあまり減らない。
「雪の裁きを!」
バズは魔法で猛吹雪を起こした。メルビンはびくともしない。
「氷の裁きを!」
サムは魔法でメルビンを氷漬けにした。だが、メルビンは氷漬けにならない。
「私には全く効かない。諦めろ!」
メルビンは笑みを浮かべている。
「えいっ!」
レミーは炎を帯びた剣で何度も斬りつけた。メルビンには全く効いていないようだ。
「食らえ!」
マルコスは空高く飛び上がり、炎を帯びた爪で何度も引っかいた。それでもメルビンはびくともしない。
「無駄だ! 諦めろ!」
メルビンは目を光らせた。マルコスとレミーとバズは突然苦しみ出し、倒れた。
「不死鳥の力を、我に!」
サラは不死鳥となって、マルコスとレミーとバズを復帰させた。
「星の裁きを!」
バズは魔法で大量の隕石を落とした。それでもメルビンはびくともしない。
「炎の裁きを!」
サムは魔法で巨大な火柱を起こした。メルビンの体に火が付いた。だが、メルビンの表情は変わらない。
「それっ!」
レミーは炎を帯びた剣で何度も斬りつけた。だが、メルビンはびくともしない。
「何度攻撃しても無駄だ! 諦めろ!」
メルビンは不敵な笑顔を見せている。
「食らえ!」
マルコスは空高く飛び上がり、炎を帯びた爪で何度も引っかいた。メルビンはなかなかびくともしない。
「ここで死ね!」
メルビンは黒い目を光らせた。だが、何も起きない。
「ガオー!」
サラは力強く羽ばたき、炎の竜巻を起こした。メルビンの表情は変わらない。
「炎の裁きを!」
バズは魔法で巨大な火柱を起こした。それでもメルビンの表情は変わらない。
「こんなんで勝てると思ったら大間違いだぞ!」
メルビンは勝てると確信していた。
「それっ!」
レミーは空高く飛び上がり、炎を帯びた剣で何度も斬りつけた。メルビンはびくともしない。
「食らえ!」
マルコスは空高く飛び上がり、炎を帯びた爪で何度も引っかいた。それでもメルビンはびくともしない。体力が高い。
「みんなここで死ぬのさ!」
メルビンは悪魔の息を吐いた。5人は非常に大きなダメージを受け、全員の表情が苦しくなった。
「グルルル・・・」
サラは力強く羽ばたき、炎の竜巻を起こした。メルビンの表情は変わらない。
「聖なる光の癒しを!」
バズは聖なる光で5人を回復させた。
「星の裁きを!」
サムは魔法で大量の隕石を落とした。それでもメルビンの表情は変わらない。
「それっ!」
レミーは空高く飛び上がり、炎を帯びた剣で何度も斬りつけた。メルビンは少し表情が苦しくなったが、すぐに持ち直した。
「食らえ!」
マルコスは空高く飛び上がり、炎を帯びた爪で何度も引っかいた。メルビンは少し表情が苦しくなった。
「フッフッフ・・・」
メルビンは瞑想をして、体力を大きく回復させた。
「うっ!」
突然、マルコスとサムとレミーは苦しみ出し、倒れた。どうやら黒い目を光らせると、しばらくしてから相手が倒れるようだ。
「不死鳥の力を、我に!」
サラは不死鳥となって、マルコスとサムとレミーを復帰させた。
「星の裁きを!」
バズは魔法で大量の隕石を落とした。体力を大きく回復したメルビンの表情は全く変わらない。
「大地の裁きを!」
サムは魔法で大きな地響きを起こした。それでもメルビンの表情は変わらない。
「無駄だ! ここで死ね!」
メルビンは不敵に笑っている。
「食らえ!」
レミーは炎を帯びた剣で何度も斬りつけた。メルビンには全く効いていないようだ。
「こんなの効かんわ!」
メルビンは高笑いした。
「覚悟しろ!」
マルコスは空高く飛び上がり、炎を帯びた爪で何度も引っかいた。それでもメルビンの表情は変わらない。
「死ね!」
メルビンは青い目を光らせた。突然、マルコスとサムとレミーは苦しみ出し、倒れた。
「不死鳥の力を、我に!」
サラは不死鳥となって、マルコスとサムとレミーを復帰させた。
「星の裁きを!」
バズは魔法で大量の隕石を落とした。メルビンはびくともしない。
「炎の裁きを!」
サムは魔法で巨大な火柱を起こした。それでもメルビンはびくともしない。
「そろそろ諦めろ! 無駄だ!」
メルビンは笑みを浮かべている。
「それっ!」
レミーは炎を帯びた剣で何度も斬りつけた。メルビンの表情は変わらない。
「食らえ!」
マルコスは炎を帯びた爪で何度も引っかいた。それでもメルビンの表情は変わらない。
「死ね!」
メルビンは青い目を光らせた。突然、マルコスとサムとバズは苦しみ出し、倒れた。
「くそっ、こうなったら、最後の手段だ!」
サラは空高く飛び上がり、炎をまとって頭上から体当たりした。メルビンは驚き、一気に表情が苦しくなった。
「とどめだ!」
レミーは炎を帯びた剣で何度も斬りつけた。メルビンは大きな音を立てて倒れた。
メルビンは驚いた。これが炎竜神マグスの技の脅威なのか。
「くそっ、やはり敗れる運命だったのか・・・。偉大なる創造神王神龍様、お許しを・・・」
メルビンは倒れた。とても悔しかった。必ずサラを倒して王神龍に褒めてもらいたかった。
「不死鳥の力を、我に!」
サラは不死鳥となって、マルコスとサムとバズを復帰させた。
と、1人のゾンビがさらに近づいてきた。サラは驚いた。何事だろう。サラは首をかしげた。
「もしかして、お母さん?」
ゾンビは反応して、うなずいた。どうやら母はゾンビにされて、地獄流しにあっていたようだ。
「ここで会えるなんて・・・」
サラは涙が出そうになった。まさか再び会えるとは。もう会えないと思っていた。
突然、ゾンビの体から光る何かが出てきて、天に昇っていった。そして、ゾンビは倒れ、ただの抜け殻になった。どうやら魂が天に昇ったようだ。
「お母さん、天国に行ったんだろうな」
「元気にしてるといいな」
と、その時、周りが光り輝いた。光が収まると、そこはシリンド山の山頂だ。
「あ、あなたは?」
目の前には、黒くて巨大なドラゴンゾンビがいた。そのドラゴンゾンビはボロボロの服を着ている。闇竜神ダエドだ。
「私は闇の最高神、闇竜神ダエドだ。よくぞ来た! 奇跡のドラゴン、サラよ。お前に私の力を授けよう。そして、聖魔導、聖バゾス卿よ、新たな聖魔導を授けよう」
サラとバズの体が光に包まれた。サラはアンデッドチェンジを覚えた。一度倒れてしばらくしてからだけでなく、自分の意志でドラゴンゾンビに変身できる。これによって防御力が高くなるが、魔法には弱くなる。
バズは聖魔導ブラックホールを覚えた。ブラックホールを召喚し、相手をブラックホールに吸い込ませる一撃必殺の魔法だ。
「5人の魔獣の英雄よ、よくぞ我を解放してくれた。メルビンは町全体でいじめられていた。そして、彼らに復讐したいという気持ちが生まれた。メルビンが不良になった理由もわかる。人々を苦しめることに対する快感を覚え、もっと苦しめたいと思うようになった。そして、そこを王神龍に見抜かれた。メルビンはめきめきと実力をつけ、やがて閻魔大王に代わって地獄を牛耳るまでに成長した。王神龍もそうだ。いじめによって人間への憎しみが生まれ、そこを犬神に見抜かれて邪神になった。復讐したい気持ちは誰でも同じだ。だが、そんな中でも忘れてはならないことがある。それは、『思いやり』だ。人々を苦しめることは楽しいことだ。だが、それによって人々がどんな思いをするのか。それを考え、自分がやられたら嫌だからやめようという気持ちにならねばいけない。今の人間はそれを忘れている。これからの人間は思いやりを持たなければならない。そうしなければ、平和な世界を築けないだろう。今、世界の命運はお前達5人の手にかかっている。必ず世界を救ってくれることを願っている。頑張るのだぞ」
突然、5人は光に包まれた。今度はどこにワープするんだろう。サラは首をかしげた。
光が収まると、そこは山の麓の洞窟の入口だ。5人は山を見上げた。こんなにも高く登ったんだ。5人はしばらく開いた口がふさがらなかった。
サラは空を見上げた。もう会えないと思ったお母さんに、一度だけ会えた。こんな所で地獄流しにあっていたとは。サラは感無量だ。今頃、母は遠い空の天国で楽しく暮らしているだろう。そして、私たちの活躍を見守っているだろう。そんな母のためにも、この世界を守らねば。サラは決意を新たにした。
サラは翼をはためかせ、サイカビレッジに向かった。残る最高神は刻時神アグレイド。これを解放すれば、アカザ城の封印を解くことができる。徐々に王神龍に近づいてきている。10年前の無念を晴らす時が、世界を救う時が、刻一刻と迫ってきている。絶対に世界を神龍教のものにしてはならない。この世界はみんなのものだ。
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