アラフォー窓際族の日記

波図さとし

10月2日  AM 3:35

いつからこんな風になったのだろうか?


そんなことを考えながらキーボードを叩いている。


こんな風になった原因は簡単にわかっている。積み重ねていなかったからだ。


“明日は今日の積み重ね、今日は昨日から変わった日”。


どっかで聞いた言葉だ。


じゃあ今日の俺は何をしていたのだろうか。在宅での仕事をしていた……いや、仕事をしているふりすらしてない。


パソコンでYouTubeを観つつ、スマホでhuluで蒼穹のファフナーを観ていた。第2基の16話、永訣の日を観て「ここでの愛することはずりぃよ…」とつぶやいていた。ちなみにこれが今日発した初めての言葉である。すごく長い間、全部メールだけで上司とも話していない気がする。今支給されているアイフォンの通話履歴を見てみたら、6月27日に上司と話したのが最後だ。あぁ、そんときは「なんか電話で話しているだけでもコロナになりそうな気がするよ」って言われたんだっけ。あれ? このセリフは元カノだったっけ? まぁ、いいや。どっちにしろ長らく親しい人々と疎遠だ。


多分リアルなコミュニケーションに飢えているんだろうな。パチンコに行くのも、きっとそうだ。


「この店、この時間は本当当たんねーよ!」

「さっき赤玉外したよ!」

「俺なんか金保留外したよ!」

「なんだこの台、金玉なんかあるのか!?」

「爺さん、金玉じゃねぇよ! 金保留!」

「それなんだ!? 偉いのか!?」

「赤玉二つ合わせたくらい偉いよ!」

「この店、なんかやってんな! おい、なんかやってんだろ!?」


そんな常連同士の話を聞きながら、黙々と羽根物を打ち「いや、ボーナスの乱数引いてないだけだろ」「金が外れた? ひと昔前の京楽の台はレインボーでも外れてたろ? いつから激熱は当たるって決まったんだ?」「爺さん、よく思い出せよ。海物語をさ、魚群出なくれもノーマルリーチで当たるだろ?」「……おっ⁉ SPルート行った! はい、ここで落ちる…おい、お前どこいくんだよ! マジこの店のこの時間は台から磁気出てるわ!、ちょっと前澤ちゃん、磁気出てるよこれ!」 、そんなことを考えていた。ついでに店員の前澤ちゃん(仮)に、わけのわからない絡みもした。もちろんお互いにマスクをしてディスタンスを保っているので安心してほしい。


誰かが話しているのを聞いているだけでも寂しさは紛らわせられる。だからパチンコに週7通ってしまうんだろう。おかげで本業よりも稼いでしまっている。これがいけないのだ。孤独になれないといけない、自分を見つめて、深める作業を地道にするのが好きにならないといけない。そのためには、稚拙であったとしても創作し、反応があるまで出し続けることがいいことなんだろう。それは肌感覚でわかっている。


しかし、一度ギャンブルに侵された脳みそと、寂しさに耐えられない俺は、パチンコに行ってしまうのだ。これが中毒者というものなのだ。勝とうが負けようがどうでもいい。その日の孤独を埋められればそれでいいのだ。それは続ければ続けるほど深刻さを増し、手にした勝ち分を安キャバと飲み屋で溶かしてしまうのだ。「金は天下の回りもの」と言い訳をしつつ、寂しさを埋めるだけの刹那の享楽に耽るのだ。


俺の日々に積み重ねなどなく、まったく生産性はない。2020年は最悪だ。8年ぶりに出来た彼女はコロナ破局し、人とのコミュニケーションも立たれ、自棄のごとく享楽を求め、一日の終わりに死にたいと思いながら眠りにつき、目覚めたら惰性のように同じことを繰り返す。


ただ、一つだけ目標はある。創作意欲を復活させ、積み重ねられるようにすることだ。ある意味、堕落した日々を積み重ねているが、職を失っているわけではない。これは一つの成功体験だ。


すでに成功しているんだ、オカルトを声高に訴える老年男性パチンカーに突っ込みを入れ、自称女子大生の中野のキャバ嬢と池袋のデリヘルで会った話を三日連続で安キャバで本人にしたり、上司から朝1で「昨日の朝一で、出勤と退勤が同じ時間で申請されてるけど、この日は給料いらないってこと?」というメールに脂汗が出たりしているけど。俺は成功しているんだ! やったー!


はぁ……何やってんだろ、俺。


最初だからか、長くなってしまった。とにかく、これから創作意欲が沸くまで、リハビリのごとく日記を書き、自分を見つめなおす作業をやってみる。それをさらけ出す理由はただひとつ、読んでいただいた読者様の客観的な意見が欲しいだけのスケベ心である。


あぁ、そうだ。ちなみに前澤ちゃん(仮)は、「それ、磁気センサーついている台ですから」と一言。本当にクールな女の子だわ。多分俺が嫌いなんだろうな。絶対に口説く。

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