ハグレ高校生は家出美少女を拾った
悪ッ鬼ー
00 出会い
夜、雨上がりの暗雲の隙間から覗く月光の
頼理と同じ年ほどの少女だった。所々土が跳ね、汚れた服を身に纏っている。
ただの家出だろう。頼理にはそれが詰まらなく感じた。その行為に勝手に憤りを感じていた。
そのまま家へ続く道を歩き、公園を回るように少女の後方付近を通ると嗄れた声が頼理の耳を刺激した。
「ありますか?私の選択肢は。っ、このまま私、オモチャみたいに使われて、終わっちゃうのかな」
その言葉は頼理に向けられた言葉ではない。また、他の誰かに対して言っているわけでもない。
きっと―――――
「きっとあるさ。自分の今は自分で決めて良いんだよ」
―————きっと、彼女は自分自身に話しかけていたのだ。
だが、それは間違っている。その間違いを正すべく頼理は言葉を挟んだ。
余計かも知れない。迷惑になっているかもしれない。
しかし、自分を見ているようで心苦しくなる、その頼理の勝手な行動は彼女の手を取るものだった。
「—————」
彼女は涙目に頼理の方を見た。
「っ!」
うつむいていたから分からなかったが、彼女はとても―――――
「—————綺麗だ」
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