二次作品に思う
隅田 天美
その作品に尊敬はあるか?
世の中には『二次作品』と呼ばれる小説がある。
アニメや小説、漫画の派生作品のことである。
私は、数年前まであるサイトである時代劇小説のごく短い小話を十年以上書いていた。
以前、私は自分のホームページを持っていて、そのサイトとは相互リンクをしていた。
その付き合いからだ。
――サイトを閉鎖します。
この言葉で、以来、時代劇小説の二次作品は書いてない。
その後、私はお絵かきサイト(小説も書ける)で企画などで小説を書いたり、好きになったアニメの短編(二次作品)も少々書いていた。
そこで「『相互ユーザー』になってください」という青年(なのかな?)に出会う。
私は快諾した。
その青年はこんなことを言った。
「あなたの小説のキャラクターを自分の小説に出したいのですがいいですか?」
これも快諾した。
そして、後悔した。
彼の小説を読んでいてだんだんイライラしてきた。
私も人のことを言えないが、粗が酷いし、平気で絵文字やネットスラングを書いているのだ。
加えて、元になった作品のパクリが多い。
私のキャラクターも許可したとはいえ、台詞などを改ざんされて困惑した。
ある日。
件の青年がいきなりメールでこんなことを言ってきた。
「○○(原作アニメ)の××のシーンは俺の作品のパクリだ」
私もそのシーンを見た。
正直に書く。
それぐらいのことは誰でも考える。
その後。
「運営が(規則違反で)自分のアカウントを停止した! 創作の侵害だ」
頭が痛くなった。
――ルールも守れない人間が何を言っている?
呆れた。
サイト運営は病院でもカウンセラーではない。
多くのユーザーや企業の利害が絡んでいる。
一人のわがままを許しては運営は立ち行かない。
何より、かの青年に不満を持ったのは元の原作アニメに対して敬意が全く無いところだ。
借りたキャラクターにも乱暴に扱う。
もし、敬意があるのなら「俺の作品をパクった」などとは言えないはずだ。
私が投稿していた時代劇小説のサイトの元になった作品を書いた作家はとっくの昔に鬼籍に入ったが、もしも、小話と同じシーンが出てきたら私は嬉しかったし感謝する。
ある人が言った。
「世界から敬意が消えている。だから、つまらない駄作ばかり生まれるのだ」
この言葉を胸に刻み、精進しよう。
二次作品に思う 隅田 天美 @sumida-amami
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