第6話「誘拐」

GM:それから数日後。アオイは見事仮配属が終わり正式な銃士と認められます。


アオイ:おお!


GM:先日のアンナ姫の件と合わせて、オーバン隊長がささやかな酒宴を開いてくれますよ。


アオイ:酒だ酒だ。


レイ:お酒……。


GM:「アオイ君の正式な入隊と、後厄介事が過ぎ去って」といったところでグレース副官の咳払いが入ります(笑)。「じゃなくて、姫の見学が無事済んで、おめでとう。カンパーイ」


一同:カンパーイ!


アオイ:この国の酒は初めてだ。旨い!


レオン:このエルーラン王国はワインの産地としても有名なのですよ。


GM:宴会には他の銃士もどんどん加わってきます。ユーリ隊の3人も酒席に加わってますが、しんみりと杯を傾けるハジメの横で、暴飲してからみ酒をするポルトスをひたすら宥めるユーリと言う構図が(笑)。


アオイ:なんか、ユーリさんの中間管理職ぶりに涙がちょちょきれます(涙)。


GM:「それではもう一度、新しい仲間と銃士隊の前途を祝して、カンパーイ」


一同:カンパ……。


GM:その時ばたんと扉が開いて。「大変だ! アンナ姫が攫われたっ!」


一同:「なっ、なんだってぇー!!(MMR風に/笑)」


GM:伝令の銃士が持ってきた情報は以下の通り。今日、姫は神殿からの依頼で冒険者通りを視察に行っていました。護衛をしているのは侍従達ですが、その侍従達が傷を負って銀嶺城に運び込まれてきました。その中に姫は居なかったとの事です。


バジル:なるほど。


GM:ケストナー卿はこの事態を受けて銃士隊を銀嶺城へ召集しました。


アオイ:お城なんか初めて入りますね。


GM:オーバン隊長もいつになく真面目ですよ。「バジル隊。君たちは先行して侍従達の話を聞いてきてくれ。容態は安定しているようだ」


一同:了解しました。



◆◆◆◆◆



GM:侍従達は皆大小の傷を負っていますね。


バジル:銃士隊の者だが大丈夫か?


GM:「自分達がついていながら、姫様にも陛下にも申しわけない」


バジル:「いや、命があっただけでもまだありがたい。現場の状況はどんなものだったんだ?」


GM:彼らの語るところによりますと、突然数名の精鋭に襲撃を受けて、抵抗したものの歯が立たず、姫を連れ去られてしまったそうです。


バジル:そいつらは何人居たんだ?


GM:5人だそうです。


バジル:襲われた場所は?


GM:街路の一角ですね。目撃者も居ます。


バジル:相手の特徴は?


GM:5人の体格とかは大雑把に教えてくれます。


アオイ:そこは予定の行程で通る場所ですか?


GM:予定通りですね。


レオン:という事はそれを知っている人間、つまり内部を疑った方がいいのかもしれない。


バジル:その他、何か手掛かりは無いか?


GM:「それが……」と言いかけたところにエトワールがやって来ます。「お前達、やはり来ていたか。少し話したい事がある」


バジル:なんでしょう?


アオイ:(侍従達をちらりと見て)「とりあえず廊下に出ましょうか」


GM:そうですね。ではいったん廊下に出るとエトワールは周囲を見回して言います。「実は、現場にヴァンスター騎士団の紋章が残されていたそうだ」


レオン:なに?


アオイ:ヴァンスターって、今エルーランと一触即発状態の神聖ヴァンスター帝国ですか?


GM:まさしくそのヴァンスターです。「まずい事にそれで王国の主戦派が一気に躍進したらしい。陛下は大変動揺されて、姫様を奪還すると言う大義名分をもっての対ヴァンスター帝国の開戦は時間の問題だ」


レオン:うーん、なんか出来すぎてない?


バジル:俺もそう思う。


レイ:ヴァンスターの仕業に見せかけて……。


GM:「気付いたか。さすがだな。この事件、ヴァンスターが主犯だとすると、おかしなことが多くないか? わざわざ証拠を残すのがまず変だ。襲われた侍従も全て生きて帰ってきている。私の立場でこれ以上言うわけにはいかないが。誰かがヴァンスターとエルーランを……後は分かるな?」


バジル:うん。


GM:「赤枝の騎士の殆どは開戦準備に追われて動けない。今回は私とお前達銃士隊だけで動く事になりそうだ。何か分かったら伝える。よろしく頼む」


レオン:「こちらこそよろしく。目指すところは姫様の救出だ」


バジル:とりあえず銃士隊に合流してさっきの事を報告しないと。

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