第4話「それでもやっぱり騒動からは逃げられない」

GM:さて、まあそんな感じで警邏は滞りなく進む……わけはないですよね(笑)


バジル:そうじゃないとプレイヤーとしても困る(笑)


GM:葡萄酒通りと言う繁華街に差し掛かった時、皆さんを見つけた街人たちが駆け寄ってきます。「ごっ、強盗が店に立てこもって! 銃士さん! 捕まえてくれ!」


バジル:む、強盗か!


GM:強盗は人質の少年を盾に民家に立て篭もっております。どうやら赤枝の騎士団に追い立てられて逃げ込んだらしいです。


レオン:あらら、最悪だ。


GM:アンナは「事件が起きてるのね!」と若干はしゃいでおります。


アオイ:まあまあ落ち着いてと宥めます。


GM:強盗いわく「逃走用の馬と金を持って来い。さもないとこのガキを殺すぞ!」と言っております。


バジル:うーん。


レイ:何とか狙撃できないものでしょうか?


GM:するとエトワールがやって来てます。「おお、お前達も来たか」


レイ:エトワールさん!


GM:「駆け付けた時にはこのありさまだ。賊は2名、人質の少年は1人……ところでそちらの少年と少女は誰だ? 新入隊員か?」


レイ:実はケストナー卿が……


バジル:わーわーわー!(汗)


レオン:「君は喋るな!(苦笑)」


バジル:そ、そう、二人ともまだ見習いなんだ。こっちがアオイ、こっちがアンナだ。


GM:「ほう、アンナとはいい名前だな。王女殿下にあやかったのか。ちょうど歳の頃近いし……ん? そう言えばどことなく……」


レオン:バジル隊長の後ろから目で訴える。「お察し下さいお察し下さい!(笑)」


GM:では何かを読み取ったらしい(笑)。それ以上は聞かず頷いて言って来ます。「ここは恥を忍んで共同作戦を依頼したい。お前達に何かいいアイデアはあるか?」


レオン:そういう風に言っていただく必要は無い。人々の平穏を守りたいと言う想いはこちらも同じ。もちろん喜んで協力させていただきますよ。


GM:「ありがとう。礼を言う」

 ところで強盗なんですけど、また困った事を言い出します。「腹が減った。何か食べるものを持って来い」皆さんを嘗め回すように見て、一番弱そうなアンナに対して「そうだな、そこの見習い銃士、お前が持って来い!」


アオイ:あれ、アンナが一番よわっちそうに見えるのかな?(←自分が一番弱そうに見えなくて残念らしい)


GM:だって実際か弱い女の子ですから。アンナは「え、私! どうして!? ねえ、どうしよう?」と思いっきり戸惑っています。


バジル:「食料を調達してくるからちょっと待ってろ」と言って時間を稼ごう。さてどうしようか?


アオイ:俺が代わりに行ければいいんでしょうけど。見た目子供で弱そうだから。でもアンナを指名されちゃってるから、今更代わるのは無理でしょうか?


GM:アンナはしばらく人質の少年を見つめていましたが、やがて言います。「私行くわ! 私があの二人の目を引きつかるからその間にあの子を助けてあげて!」


レイ:しかし……。


レオン:ありがたい申し出です。ですよね小隊長?


バジル:アンナは言ったよな。裏側まで知りたいって。その覚悟買った!


レオン:それでは隊長はここに居てもらいましょう。《プロテクション》でアンナと人質をカバーできるのは隊長だけですからね。


バジル:まあ、そうだな。


レオン:窓から忍び寄ってもらうのはレイが確定として……。


アオイ:行動値は俺が早いです。


レオン:そうだな。アオイにいってもらうか。


GM:では全員、目標値10の知力判定。


アオイ・レオン・バジル:成功!


レイ:知力は低いんですよね……失敗。


GM:成功した人は気付きました。あのくらいの装備を持っている奴だったら、行動値は2ぐらいじゃないかと思います。


バジル:決して高くはないな。


GM:その代わり2の行動順が来てしまうと子供に危害が及ぶ可能性があります。


レオン:その上アンナを人質に取られるような事がもしあれば目も当てられない。


GM:配置を説明しますと。強盗二人と少年が同じエンゲージに居ます。立て篭もっているのは二階の一室。突入口は下からの階段と、表側裏側にそれぞれある窓ですね。


アオイ:なら俺が正面の窓から魔法で狙撃しますよ。


レオン:待てよ、どうせ打ち込むなら全体魔法を打ち込んでもらったらどうだろう。ただし、人質の子供にだけは《プロテクション》をかけて貰えばいい。


GM:かなり強引ですけど、有効な戦術ですね。


レオン:その後、行動を遅らせたレイに突入してもらう。最後私が後詰に入ろう。


バジル:ここはタイミングが命だな。


レオン:やるなら1ターンで賊が動く前に仕留めないとな。


GM:実はこのゲーム都合のいいルールがありまして、「止めを刺す」と宣言しない限り敵を殺す事は出来ません。つまり、たとえ少年に魔法が直撃しても昏倒するだけで殺す事はないです。


アオイ:では頑張って一撃で仕留めますか。


レオン:アンナにせっかくだから一芝居打ってもらおう。バスケットを抱えたまま入り口で足を止めて、ここまで取りに来てよと交渉してもらう。どうせ持って来いって言われるのは判っているけど、そこで注意を引き付けたところで攻撃。(アンナに)「姫様、お願いします。貴方の勇気が頼りです」


GM:「わかったわ」と神妙な面持ちで答えます。


アオイ:では自分から。突入して〔バーストブレイク〕を撃ちます!


GM:良いんですか? 〔バーストブレイク〕はニンジャの切り札スキルですから、ここで使うともうシナリオ中使えなくなりますが?


アオイ:こんなおいしい使い方が出来るんですから、今が使い時です!


GM:承知しました! どんどんやっちゃってください! 〔バーストブレイク〕は自動命中なので、全員に命中! ダメージをどうぞ!


アオイ:(ダイスを振る)強盗Aに18、Bに10、子供に8


GM:Aは倒れました。Bはギリギリ生きています。


バジル:演出で子供に〔プロテクション〕を張って守ります。


GM:では、Bが子供を羽交い絞めにしようとしますが、聖なる壁に阻まれると言う演出を入れましょう。


レイ:ここで私が突入します。キャリバーでBを攻撃します!


GM:賊はレイの魔弾を受けて倒れ伏しました。


 アオイの《バーストブレイク》による衝撃波が部屋を吹き荒れる。たまらず強盗達はなぎ倒される。

 衝撃波をやり過ごした賊も、バジルの《プロテクション》に阻まれ、少年を傷つけることはなかった。

 次の瞬間、レイが窓から突入し、残った賊に銃弾を撃ち込んだ。

 強盗達は、残らず制圧された。


レイ:ダメージは……。


GM:聞くまでも無いです。こいつのHPは残り1しかないんだから。


アオイ:いやあ、何とかなったな。よかったよかった。


レオン:最後に少年を抱え起こそう。「大丈夫だったか?」


GM:「は、はい。ありがとうございます」


バジル:アンナに言います。「ありがとう。おわったよ」


GM:「あの子は助かったのね? よかったぁ……」といってへなへなと崩れ落ちてしまいます。


レイ:おてんばとは言え怖かったんですね。


レオン:捕まえた犯人ですが、赤枝の騎士団に引き渡しちゃうのがいいかな?


GM:ではエトワールが「ありがとう。協力感謝する」とお礼を言います。アオイとアンナにも「お前達もきっといい銃士になれるよ」

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