第3話「今回予告」

GM:オーケーです。ではこの3人でセッションを始めたいと思います。まず、今回予告を読み上げます。


 エルーラン王国、戦の足音が忍び寄る王都ログレス。

 そこに王国の繁栄と民の平穏の為、青春を捧げた若者達がいた。まだ無名な彼らの名はエルーラン王立銃士隊。いつの日かその名をエリンディルに轟かせるその日を信じ今日も彼らは鍛錬の日々を送っている。

 警邏中に出会った少年、それが事件の始まりだった。

 銃士たちは、人買い集団を追い詰め、攫われた子供たちを助け出す事が出来るのか?

 そして、それは激動のエルーラン王国史を象徴する、長い長い1年の始まりだった。

 アリアンロッドBlue Blood 第1話『エルーランの銃士隊』 ――キミにも青い血が流れている


プレイヤーA:人身売買組織が敵なんですかね?


紺碧:まあ、これだけじゃ分かりませんから。少しずつ情報を集めていきましょう。


GM:さて、皆さんはここエルーラン王国の王都ログレスの治安を司る、エルーラン王立銃士隊の一員です。

 エルーラン王国は、ここエリンディル大陸西方を代表する大国です。

 円卓の騎士団、赤枝の騎士団と言う2つの騎士団が武名を轟かせていて、近年拡大路線を取っている敵対国ヴァンスター帝国も、エルーランには手を出せないでいますが、残念ながら政情は不安定です。


プレイヤーA:いい国じゃないんですか?


GM:歴史のある国だろうと政治が混乱するのはよくある事ですので。そこをなんとかして国民の幸福を守れるかどうかは、皆さんの双肩にかかっています。


雅清:責任重大だな。


GM:さて、今日も今日とて、日々の業務をこなすべく、皆さんはそれぞれの寮や自宅から冒険者通りにある銃士隊詰所に出勤してきます。


 詰所では隊士達がわいわいと言葉を交わしています。年齢はバラバラですが、20代前半か、10代後半の銃士も多いようです。

 銃士隊のイメージカラーである青いカソック法衣を着ています。これは、シリーズのタイトルでもある「青い血」を象徴しています。「Blue Blood」は、所謂「ノブレス・オブリージュ高貴なる者の義務」の別の言い方なんですが、銃士隊は義勇兵による民兵組織が前身なので、ノブレスを名乗れません。だから「貴族ではないけれど民を守る責務を果たし、自分たちのも高みに上りたい」と言う願いが込められています。


紺碧:なるほど。新選組みたく、生粋のエリート達へのコンプレックスをばねに大きくなった組織なんですね。


GM:そんなイメージです。さて、皆さんは銃士隊内の同じ小隊に所属しています。銃士隊の「小隊」は冒険者の「ギルド」と同じ扱いです。

 銃士隊の歴史は割と新しいく、30年近く前、国を揺るがす大反乱が起きた時、街の有志が義勇兵を起こした事が始まりです。

 反乱鎮圧に赫赫たる戦果をあげて、国王から「王立銃士隊」の名を与えられました。


プレイヤーA:へえ、でも何で「士隊」なんですか? 


GM:義勇兵の主力兵器がマスケット銃だったからです。戦闘のプロでなくても扱いやすいのと、とある理由からアルケミスト錬金術師が多数所属していましたので。詳しくは紺碧さんが解説記事を書いてくれてますので、後日発表します。


雅清:で、俺たちの任務は何なんだ?


GM:銃士隊の任務は「王都とその周辺の治安維持」です。これは本来、正規軍である赤枝の騎士団が担っていたのですが、隣国ヴァンスターとの緊張関係から、騎士団主力が国境防衛に引き抜かれて深刻な人材不足です。

 そこで、王弟ケストナーとその支持者が資金を出して、騎士団を補完する「第三の部隊」として銃士隊を拡充し、治安任務を与えました。


紺碧:確か公式設定だとケストナーって、王位を狙う陰謀家だったような?


GM:(にやりと笑って)彼がどんな人物かは、直接会って判断してみてください。銃士隊の管轄は内務省ですが、皆さんの給与の多くはケストナーが募った商人からの寄付で賄っていますので、彼らの「お願い」は聞かないといけないし、内務大臣よりケストナー個人の意向が優先される傾向にあります。


プレイヤーA:政治の話は苦手です。


GM:では分かりやすく説明します。皆さんのお仕事は「悪い奴をぶっちらばる」事です(笑)


プレイヤーA:理解できました!(笑)


GM:では次話で冒険が始まりますよ♪

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