秋の日の再会

勝利だギューちゃん

第1話

コスモス

秋の桜と書く。


秋になると、私はコスモス畑に出かける。

コスモスは、白や黄色などあるが、やはりピンクが美しい。


ピンク以外の色は、私はコスモスとは認めない。


「それは、失礼よ」

「私たちだって、コスモスよ」


白いコスモスや、黄色いコスモスに怒られそうだ。


でも、やはりピンクこそが美しい。


「コスモスには、宇宙よいう意味もあるんだよ」

「お兄ちゃん、本当?」

「めぐみちゃんも、コスモスのように奇麗で、宇宙のように広い女の子になるんだよ」

「うん!お兄ちゃん」


幼い頃、お兄ちゃんと出かけたコスモス畑で言われた。

優しく頭を撫でてくれた。

その手が、とても温かかった。


お兄ちゃん・・・

といっても、血のつながりはない。

隣に住んでいたお兄ちゃん。


私より、10歳も上だった。

でも、「お兄ちゃんの、お嫁さんになる」と決めていた。


お兄ちゃんが気にっていたのが、ピンクのコスモス。

花言葉は、乙女心。


私は秋生まれ。

資料にもよるが、誕生花はコスモスになる。

秋に産んでくれた両親には、感謝している。


でも・・・


ママは幼いころに、他界。

パパは、単身赴任。


隣のお兄ちゃんは、どこかへ引っ越して、以来、会っていない。

音信不通。

連絡が取れない。


ただ、私の口座には、お金が振り込まれている。

差出人は、「あしながおじさん」


よくあるパターンだが。私は期待してしまう。


もしかしたら、あのコスモス畑にいるのかもしれない。

お兄ちゃんもコスモスが、好きだったから。


お兄ちゃんとの再会を期待して・・・願って・・・

私は、コスモス畑に向かう。


お兄ちゃん、会いたい・・・

でも、JKになった私に惚れないでね・・・


なんてね。


もう、27歳くらいか・・・

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