落選からまた立ち上がるための言葉

それなりに頑張って応募した結果が、落選だった。次に向けて頑張りますと周りには言っても、本心では、私はこれほどまでに無能だったかと思わないではいられなかった。


通知をみて泣けない私は、本気度が足りなかったのだと、その程度の気持ちだったのだと、考えないようにしてもふとした瞬間に思い出して、周りから結果の可否を聞かれることに怯えた。


それから3日、進まぬ箸を無理矢理に動かしてエネルギーを蓄え、不貞腐れていつもより早く寝た翌日の朝に、私は立ちあがろうと足掻き始めた。


そんな私に、私が贈る言葉。


落ちてからがスタート。


もとより今いるのは地獄の道、

常に後ろは崖っぷちだから、

進む以外の選択肢はない。


自分には才能も適性もまるっきりないのだと知っている。


そこそこに学力はあった学生時代は遥か昔のことで、この世界では実績のないただの底辺。


今の私では駄目だと、落選の通達が

嫌というほどに現実を突きつけた。


だけど、もとより誉も栄光も諦めて、覚悟を持って踏み出したはずだ。


惨めでも恥ずかしくても、情けなくても、

どうしたって諦めたくない。



幸い、私は恵まれている。


為したいことのために必要な環境も、

適切な道を示してくれる尊敬すべき先達もいる。


ならば、ここまできたならば、

面倒くさがってはいられない。

うまい言い訳を考える方へと労力を使い、

楽な方へ逃げてはいけない。


決して楽しくはないことだから、

苦痛が伴うことだから、それを課題にしようとしても、きっと沢山はこなせない。


それでも、たった一時でもそれをすれば

明日の私は今よりも確実に成長している。


それが私の、命の使い方。


未来を望める恵まれた私が、

世界に名を刻みたいと足掻く人生。



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