終電での事故
@HasumiChouji
(1)怪談篇1
終電に乗って帰宅中、突然、変な音と共に電車が止まった。
『異常を確認しましたので、急停車いたしました。申し訳ございませんが、しばらくお待ち下さい。詳しい状況が判り次第、運転再開の見込み時間を連絡いたします』
車内放送が、そう告げた。
明日は休日で助かった。連日、深夜まで残業なのに、仕事の前の日に寝る時間が更に遅くなったら、洒落にならない。
「申し訳ありません。お客様の中に、昼間に当社から連絡してもよろしい方は居らっしゃいますでしょうか?」
車掌が、この車両にやって来てそう言った。
「事故ですか?」
私は車掌に、そう聞いた。
「ええ……人身のようで……」
「めずらしいですね」
「え……あぁ、そうですね……」
何か車掌の様子がおかしい。
「まさか……良く有るんですか……」
「い……いえ……それは……その……」
『運転再開は、約三〇分後を見込んでおります』
車内放送に気を取られた瞬間、車掌は消えていた。
「何だったんだ、一体?」
『なお、調査の為、間もなく作業員が乗り込み、お客様に事情を伺います。日中に当社から連絡してもよろしいお客様が居らっしゃいましたら、御協力をお願いします。個人情報保護に関する規定も、その際に説明させて……』
待て、そう言えば、この電車は
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