第23話 いよいよ、第二試合が始まる
いよいよ、第二試合が始まる。
「ステータス、オープン」
俺はステータスを開き、チームの状態を見る。
1番 レフト 菊池桜 右右 元空手 瞬発力あり ☆
2番 ショート 高橋美咲 右右 元軟式野球 ムードメーカー
3番 ライト 前田京 左左 元硬式クラブ 求道者 ☆
4番 センター 山本麗奈 右右 元硬式クラブ 長打あり
5番 サード 衣笠梨沙 右右 元軟式野球 攻撃特化 幸
6番 セカンド 正田桃 右右 元硬式クラブ 関西弁 ☆
7番 一塁 黒田葉月 左左 元剣道 物静か 不
8番 捕手 西山汐里 右右 元軟式野球 好奇心旺盛
9番 投手 川口雪乃 左左 元新体操 体幹 ☆
控え
投手 大野光希 右右 元バレエ リズム感良い
外野 緒方陽菜 右左 元陸上部 足が速くまじめ 不
うちのチームは例の日が4人、だいぶ調整できているのか。月の後半で例の日が多い。
ツイテないのが葉月と陽菜か、逆にツイテいるのが梨沙だ。イケイケの時にはイケイケの性格に運がついてくるのは心強い。
逆に、うちの切りこみ隊長の陽菜が不調なのは痛い。お願いされていたので誰の代わりに桜を出すか迷ったが、陽菜と変わってもらった。
相手チームは、ツイテいるのが二番でツイテないのが五番か、さすが選手層が厚い。ツイテないのが一人か。前の試合で一人ツイテなさそうなのが居たがこの試合では外されたようだ。チーム打率は三割強、しかし前の試合ではヒットは五本だ。しかもまともなアタリはなかった。これだから高校生の打率は当てにならない。
一応、うちの司令塔の汐里に打者の得意コースと苦手コースを伝える。あとツイテない五番と。このキャッチャー試合中はほとんど俺の方を見ない。俺が相手の監督と腹の読み合いをするより、汐里の観察力と洞察力の方がよっぽどあてになる。
まずは、先行なので相手のエースの様子を見るか?
スピードはMAX一四〇キロ超、変化球はスライダー 大きく曲がるのと、小さく曲がるのがある。フォークはあるがめったに投げないみたいだ。
まず、桜が打席に入る。鋭く小さいふり幅でカウンターパンチのようなバッティングが得意だ。マシンの一四〇キロはそこそこ打っていた。
初球、一四〇キロのストレートをバチンと合わせ、ピッチャーにライナーが飛ぶ。しかし、あまりに正面過ぎた。ピッチャーライナーでワンアウトだ。
二番、美咲は、アウトコースのストレートを当てるだけのバッティングになり、セカンドゴロになった。
三番、京は警戒されながら、二ボール二ストライクから、大きなスライダーを空振り三振した。
このピッチャー速球に自信を持っていて、変化球のコントロールもまあまあいい。低めに決められるとちょっと打てそうにない。次からの指示はストレートに絞れだな。
相手チームの攻撃は、一番打者には、初球、宜野座カーブを投げろと言っている。
初球、宜野座カーブだ。ボールが一端浮き上がり、そして鋭く沈みさらに大きくスライドして沈む。打者は、タイミングが合っていないにも関わらず、積極的に打ちに来て、思い切りバットを振る。空振りだ。
こいつらはフルスィングがチームの信条だ。上半身を筋トレによって鍛え上げ、金属バットの広い打撃ポイントを有効に活用し、当たり損ねでも内野の頭を越していくそういう打撃をするチームなんだ。
一番は、結局、ボール気味のスローカーブを泳ぎながら打ってサードゴロでワンアウト。二番は、ストレートを詰まりながらライト前に持っていかれて、ワンアウト一塁。
三番は、1ボールからインコ―スに小さく沈むシンカーを、ひっかけてショートごろゲッツでなんとか、1回を無得点で抑えた。
雪乃は、シンカーの指の引っ掛かりがまだまだ安定せず、大きく沈むシンカーと、ストレートと同じ軌道から小さく曲がるシンカーを意識して投げることができない。これは、今後の課題だ。投げ始めて二週間、変化しているだけ大したものだ。
汐里が俺の所に来て、困惑気味に指示を求める。
「監督、打者の狙い球が分かりません。とにかく何でも振ってきます」
「ああっ、相手チームはタイミングを重視していないぞ。泳がされようが、詰まらせられようが、自分のスイングでバットを振り、バットがボールを捉(とら)えれば、内野の頭を超えていくような打撃をするぞ。
そこでだ、汐里、ボールを打たせろ。ボール一つ分の出し入れができれば理想だが、そんなコントロールがあるやつはプロでもそうはいない。
カウントが悪くなっても、気にするな。きっと三ボールからでも打ってくる」
汐里と雪乃にしっかり指示をだす。今日の雪乃はあの日だから、ボールに力がある。ボールさえ打たせればなんとかなる。
二回のこちらの攻撃だが、ワンストライクまでは、ストレートでストライクを取りに来ている。ファーストストライク、そして、ストレートを積極的に打ちに行くように指示をだす。
四番の麗奈は、ストレートを打ち上げ、センターフライ。
五番の梨沙は、ストレートに差し込まれセカンドゴロ。
六番の桃は、バントの構えから、ストレートにうまくタイミングを合わせたがセカンドライナーに倒れた。
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