No6_2020.10.06(月の剣)

月が鮮明に見える深夜こそが、私にとって魔物の狩り時。抜刀した三日月のようなショーテルは、私が振りかぶると真っ二つに割れる。そこから覗く鮫のような牙が、魔物を斬るのではなく囓るのだ。これしか、呪いで繋がった私の飢えを満たせない。


「……イヤだ」


満腹感の幸せを感じてしまうから、イヤだ。

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