第二十四時限目
敦子先輩があたしを見る。
「結芽…あの…」
「何?もしかして握手位であたしがヤキモチでも焼くと思ってるの?(笑)」
「結芽…あたし拓とも前みたいに仲良くしてもいいの?」
あたしと拓は顔を見合わせてニカッと笑いながら親指を敦子先輩に突き出し、声を揃えて言った。
「「当ったり前じゃん!!」」
先輩が、少し照れた様に笑う。
「ありがとう」
「さささ、先輩握手握手っ!」
「あ、うんっ」
(良かった…今日からまたあっちゃんとはしゃげるんだ)
上下にブンブン振られている仲直りの握手。
「先輩」
「何?」
「先輩がして来た事は全部正しいとは言えないけど、きっと先輩いい女になると思いますよっ」
敦子先輩が苦笑いする。
「まぁねっ、拓なんかよりも、もっとカッコイイ彼氏作るからっ!」
「ん゛~、多分そう簡単に見つかんないと思いますけどねぇ~」
「え?何で?」
「だって、俺って自他共に認めるイケメンですからっ」
「…結芽、あんたの彼氏どっかで頭ぶつけたんじゃない?」
「……」
あたしは敦子先輩にバトンタッチされ、調子に乗っている拓を落とす。
「確かに。あんた程のエロはそうそう見つかんないだろうね~」
「男はエロさで株が上がんだよっ」
「はいはい…拓は動くエロ本だもんね。あっちゃん、学校行こ~」
あたしは敦子先輩の袖を掴み、バックが置いてある休憩所へと歩いた。
「きっと今行ったら3時間目の授業中真っ只中だよね…あっちゃん4時間目何?」
「…分かんない(笑)結芽は?」
「…分かんない(笑)」
「あ、あっくんに今電話しちゃってみてくれない?」
「え~…、だって今仕事中じゃない?」
「大丈夫、奴はいつでも繋がるから」
「…用件言ったらすぐ切るからね」
拓があたし達の元へゆっくり歩いて来る中、あたしは嫌々あっくんへ連絡をした。
「…しもし?」
(わ、本当に出たよ…)
「も、もしもし…あの~結芽ですけど…」
「あぁ…何!?」
あっくんの声はこの前と同様、だるそうな雰囲気全開。
「朝からすみません、今大丈夫ですか?」
「手短かにね」
「…このまま電話切っていい?」
受話器部分に手をかざし、あたしは敦子先輩を軽く睨む。
「本当は嬉しいはずだからっ…」
「あ゛―…、はいはい…」
(こんな気持ちで電話するの初めてだよ…)
あたしは携帯をもう片方の手に持ち直し、空に大きなため息を吐いた後意地っ張りカリメロに謝罪の意を称した。
『ドラムを抜けないで欲しい』
その言葉を伝えた時、初めあっくんはこれでもかとゆう程グダグダ返答をじらした
あたしも何回敦子先輩に助け船を出しただろう
『子供をあやしてるとでも思って』とゆう敦子先輩の意見を呑み、通話時間約40分
最後は、信じられない事にあっくんからの
『俺も悪かった』
の言葉を締めとして、『これからもドラムを続ける』とゆう事と、『他のメンバーにもきちんと謝る』とゆうあたしからの2つの条件を承諾し電話を切った。
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