OUTPUT

さて、大学生諸君にはインプットする経験が圧倒的に多くてアウトプットする機会が少ないと思う。もちろん、基礎理論を深めて応用理論に展開する作業はあるだろうが、それはアウトプットではない。アウトプットというのは応用ではなく基礎的な経験を他人に伝えることで、これは新入社員にも難しいと思う。インプットばっかで今はつまらないかと思うが、アウトプットすると次第に仕事が楽しくなる。では学校ではどのようにしてアウトプットするのか。という質問が投げかけられるとしよう。かつ学業においてという制約をつけてみよう。

私は建築学科の出身なのでアウトプットするには学会に発表するかコンペに応募するに限る。アウトプットも慣れてくると30くらいになるとある程度当たりがつけられてイメージがわきやすくなる。それが難しいというのであればまだまだ成長がたらないのだと自覚しよう。アウトプットすることは本来は難しいものではなく楽しいものである。勉学でも、仕事でも、楽しいと感じたらそれはアウトプットしている瞬間だろうと思う。それくらい人間はアウトプットが好きな人間なのである。とはいえインプットを適切に行わないとアウトプットもできないのでアウトプットとインプット、つまり小さい山と谷を繰り返すことでだんだんと面白くなってくる。例えば力学においては、まず問題を提示されてわからないことが多々あるだろう。これを何とか自分で解いて、それを他人に教えることがあるかと思う。これは小さな山と谷だ。B4以降、修士が終わるまではアウトプットはないので覚悟する方がいいと思われる。時折、私は何もできないという質問が寄せられるが何もできなくて当然である。インプットをするのが自分の作業なのだから権力や名声を得られることなどまずない。教授との信頼関係は大事なことだがこれは個人の成績によるところではなく、どちらかというとその人のキャラクターによるところが多いように思える。

何もできないと悩む余裕があったら何ができないのか明確にすることこそ、アウトプットの最短距離ではないだろうか。

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