死ぬ前に考えるべきこと

人生に一度は死にたいと思ったことはあると思う。その時きっと、どういう死に方がいいだろうかと考えただろう。首吊りをしたら排泄物が滴ると聞くし、入水自殺は苦しいし。そんなときに考えるのが電車だ。後処理をすることなく死ねるし、多分意識のうちで痛いという痛感を感じる前に死ぬに違いない。私の場合はある意味死にぞこないで、首を吊ろうにもアパートで首吊りをしたら事故物件になってしまってたちまちその不動産会社に賠償金を払わなければならないし、そもそも電車だって何万人に影響して一体いくら請求されるのかわからない。立つ鳥跡を濁さずではないが死ぬなら跡を濁さずルールが私にはあるので根本的に自殺なんていうのは不可能なのである。もし何も考えられずに死ねるんだとしたら、その悩みは解決できるレベルにあるんだろうと思う。当然どちらも解決できずに絶つという選択肢も存在するのだけれど大半の人間には当てはまらないだろう。実際には日本の自殺率は上がる一方だけれど、それは生に対する苦痛でなくて死に対する興味に重きを置かれている気がしてならない。人間はいあがるときはどこからでも這い上がるし、どんな境遇になろうとも逆境に耐えることは出来る。だから死ぬときにはまず考えてほしい。死んで何が解決するのかを。最近小説の方にもちらっと載せたけれども日本人に生まれたことは運命的だといっていい。世界人口に対して日本の人口なんて微々たるもので、さらに言えば生きとし生けるものを入れたら兆では足らないほどの命があるのではないだろうか。そのなかで日本に生まれてきたのだからこれほど運が良いことはない。宝くじに当たる以上にいい運をしていると思う。他国に生まれた人間が運が悪いとは言わないけれど、公園の水道をひねれば飲み水が出て、トイレにも飲み水が使われる国を私はほかに知らない。仕事柄香港に行くことがよくあるのだけれど先進国としては劣悪な部類に入る。(先進国にカテゴライズするのか問題)少なくとも日本のように健常者から障害者までフリーに街を歩くようなことはできない。文化レベルも日本の10年ほど前とちょうど同じくらいと考えてくれればいい。学業もままならず言葉もしゃべることができないために娼婦に走る女性もいる。これは言葉ではなくお金のやり取りで済むからだ。空港のレベルは日本の空港と比べるとはるかに高いと思うかもしれないがいざ街に行くと全く予想していなかった事態に遭遇するだろう。まずタクシーのODOメーターが大変なことになっている。多分日本で廃車になったのを輸入しているのだろう。日本人の感覚からすると10万キロ程度乗ったら買い替えを考えるのではないだろうか。タクシーに至っては言っても15万キロ程度じゃないだろうか。香港だと少なくて25万キロくらいは走っているので日本の2.5倍くらいは乗っている計算になる。しかしながら整備の設備が整っているわけではないから日本のタクシーがどれだけ頑強に作られているのかは海外で発揮される。もちろんトランスミッションがおかしかったりすることは多々あるけれども走るのだからすごいと思う。発展途上国ってのは先進国のおさがりをもらっている事を忘れてはならない。自動車、コンピュータ、衣服、食料に至るまですべてがおさがりだと思うべきである。

 さぁ改めて考えてみて日本という国はどういう国だろうか。街には発表されたばかりの車が走り、国道には穴が開いていない上に信号機まで整っている。地方に行っても携帯電話の電波は入るし、下流社会にのみ存在する世の中のタブー的な存在もない。


―それでも日本人辞めますか―


私はこれまで死のうとしてきたことは前述した。しかし、本当に死のうとしたことはないし、実際に現在死にたいとも思っていない。若者はすぐ死ぬと口にするがそれは社会構造が見えていないからに過ぎない。どのように海外の人間は扱いを受けているのかを考えたらよい。言葉の違いだけではないざまざまなデメリットが多く存在する。若い人ほどいろいろ考えてみたらいいと思う。もし日本人に生まれなかったら何になりたいのか。もしかしたら行く先は虫になってしまってたかが3か月の命を全うするのが限界の生き物になるかもしれない。人生100年、3か月の蝉くらいの時間は悩んだところで全くマイナスにはならない。アジアでどこか近いところに旅をしてみるのがいい。エアコンはない、暖房はない。電車のドアは閉まらない。電気は一日一回は止まる。そんな諸国が多く存在する。私はもし生まれ変わるとしてもまた日本に生まれたい。日本にいれば海外に旅行するくらいのお金を貯めることはできるし、英語圏の情報は存分に入ってくるからだ。それに加えて難しい日本の論文をサラサラと読めるのだから海外に生まれて日本語を読み書きできるようになるよりもはるかにたやすいことだ。くよくよ悩むなら一度しっかり考えたらいいと思う。

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