1月20日(水) 一時帰宅から転院

 この日も定時ダッシュで病院へ。


 この日はただ面会だけという訳ではなく、明日木曜日は病院がお休みなので、この日のうちに主治医の病院に転院する可能性がありました。

 先生同士は大学時代の先輩後輩の関係で、開業医となってからもいつも連絡を取り合い、お互いの病院の都合で手薄になる部分を補ってきているという仲ですから、この日までMIXの様態については情報共有されているようでした。


 僕ら夫婦は恐らく転院することになると思っていたのですが、先生から思わぬ提案がありました。


『病院は19時までですが、仕事で22時くらいまで居るので、そのくらいに引き取ってもらって今日は自宅で過ごすのはどうでしょうか?あちらの病院には明日の朝一に行くことを伝えておきますんから』



 状況からすると、血糖値以外コントロールが効かない状態であることはよく理解しています。先生の説明も丁寧ですから、理解として間違っていないと思います。

 その先生が、すぐに転院するのではなく、今日は一緒に寝てあげてくださいっていうのは・・・当然ですが最後くらい一緒に寝てあげてということか、仮に明日転院したとしても改善の兆しが低いとの判断なのか、そういう先生の思いやりと判断しました。

 むろん、明日は朝一で主治医のところへ連れて行きますが、先生のご厚意で22時ぎりぎりまで診てもらって、そのあと一時帰宅する選択をしました。

 家に帰ってきたMIXですが、自分でキャリーバッグから出る体力もなく、すぐさまいつも一緒に寝ている夫婦用ベットに連れて行きました。

 最初は寝かされたままの格好で寝ていましたが、お腹をさするとゴロゴロ言います。そして急に立ち上がり寝がえり・・・でも半分腰砕けのようになってしまいます。

 それでも飼い主の勝手な都合目線ではありますが、とても満足そうな寝顔&ゴロゴロ。このまま朝までMXを撫でながら顔を見ていたかったのですが、何か急に動かなければならない時、飼い主の方が動けないということが無いように、しっかりいっしょに寝ようと思いました。が、1時期間おきくらいに目が覚めてしまいますね。


 朝方5時くらい、妻が急に


『あっ!おしっこかも!』


 といって急にベッドから飛び起きました。するといつも間にかMIXは自力でトイレに行こうとしてか、床の降りトイレのある居間とは反対の窓の方に歩いていってました。

 妻が慌てて抱き上げて、今のトイレまで連れて行くと、フラフラしながらもおしっこをしました。色も量も普通でした。

 帰宅直前まで点滴で水分が入っていたので、その分が出たのだと思いますが、寝ながらおしっこしても良いようにと、防水パッドをシーツの下に敷いていたのですが、猫の本能としてベッドでは出来ないと判断し、気力を振り絞ってベッドから降りたのでしょう。

 胆振東部地震でもすぐに目を覚まさない妻でしたが、やはり眠りが浅かったのかMIXがベットから降りた瞬間に目が覚めたそうです。

 まだ起きるには時間があったので、再びベッドに連れて行くと、小一時間一緒に寝ていました。


 朝、2人とも午前中は会社を休んでいたので、開院時間に合わせてMIXを主治医のところへ。

 それまで面倒を看てくれた病院での検査結果の紙などを持っていき、まずは血液検査。15分ほどで呼ばれて説明を聞きましたが、相変わらず肝臓の調子がよろしくないとのこと。

 ここで一通り、こうなった原因と思われるものと、これからの方針について説明を受けました。


 定時後、再びダッシュで面会へ。相変わらず経口でモノを食べれていないので、鼻の穴から細いチューブを通されていました(経鼻カテーテルというらしい)。そこから流動食を胃に流し込んで、胃から腸と消化器からエネルギーを入れることが第一歩らしい。肝リピドーシスではこの方法による強制給餌が定番らしいです。(ネットでも調べました)

 そして食べ物から糖が摂れて血糖値が上がり、インスリンを打つことでその糖がエネルギーとして使われ始めると、身体は脂肪を分解しなくともエネルギーが補給出来てると考え、脂肪の分解が治まる。これにより肝臓を悪化させないという第一歩。

 初めて経鼻カテーテルを入れられたMIXを見たら、邪魔そうだし違和感が凄くて外そうとするんじゃないかと思っていたけど、その気力体力すらなく、ひたすらにダルそうに横になっている。むしろ前足に付けた点滴用のチャックの方が気になるというか、もともと猫は手足に何か付けられると、ブルブルして外そうとするので、そっちの方が気になっている様子。


 経鼻カテーテルから栄養を入れ始めたからといって、すぐに良くなるものでもなく、腸もしばらく栄養が来ていなかったので絨毛も弱っている状態らしく、まずは絨毛を育てる(もとに戻す)のに3日程度、そこから順調に腸からエネルギー補給を始め元のサイクルに戻るのに1週間程度と長丁場になるとのこと。

 まだまだ治療は始まったばかりです。


 さて、こんな病状の話しの中なんですが、大事なお話をしておく必要もあるでしょう。それは入院費(治療費)のお話し。

 病院にもよるのでしょうが、ウチの場合だと入院1日約2万円強くらい掛かるということでした。1週間も入院すると単純計算15万円前後は掛かると見た方が良いです。

 飼い主としては家族の猫が病気なのですが、直せるものなら直したいと考えるのは普通だと思いますが、人間とは違い限度額もありません。治療すればするほどお金が掛かります。

 ウチでは弟ロシアンが来て1年間は兄ロシと共にペット保険に入っていました。ですがあるときから掛け金が凄く上がったため、それならと普通に銀行に積み立て口座を作り、そこに毎月猫に何かあった時用に使うお金を積み立てて来ました。

 でも実際には少しくらいの通院費は、普通に家計から出して今まで一度もその口座に手を付けてきませんでした。そうやって手つかずの口座は気が付けば3桁万円を超えて貯まっていました。ぶっちゃけ、僕のヘソクリ貯金なんて比べ物にならないくらいです。

 今回MIXの治療に当たっては、決して安価ではありませんが、そのための準備がありますので、本来の目的のために使うのですからケチらず全開で治療に使います。

 もちろん、それで足りなければ普通の貯蓄を使ってでも、何とかしたいと思っていますけどね。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る