引き立て役じゃない!
私が所属する
でもね、だからって、勇者を盛り立てる為の太鼓持ちになったつもりなんてないわよ!?
「さって、今日も一発ぶちかましてやりますか」
私達、
屈辱…屈辱だわ……どうしてあんな奴にライアーネ様が……!
しかも、ライアーネ様をはじめみんな嬉しそうに笑顔なのが腹が立つ…!
本当にみんな、どうしちゃったっていうの!? なんでそんな奴に媚び売っちゃってるのよ! 訳が分からないって!
「よし、ついてこい! でも正面で魔王軍の相手をするのは俺一人で十分だ。お前達は網から漏れた小物の始末だけしてくれたらいい!」
とか言いながらドゥケが馬を走らせる。でもこいつ、最初は馬にすら乗れなかったって言うじゃない? そんなんで何よこのドヤ顔。
だけどそんな風に不満顔なのは私だけで、みんなは、
「はい!」
なんて嬉しそうに応えちゃって、ドゥケの後を馬で追う。
でも確かに、あいつの力は本物だった。私達の姿を見るなり突っ込んできた魔王軍を剣の一振りでなで斬りにする。剣そのものも善神バーディナムの祝福を受けた法剣だというのもあるけど、それをドゥケが使うとまるで神の奇跡が顕現したかのように無双するんだ。
同じ法剣を私達が振るっても、一体一体を倒すのがやっとだっていうのに。
実は、ドゥケが現れる前にもあいつと同じように善神バーディナムの祝福を受けた勇者が何人も現れた。そのおかげで魔王軍を押し返せたっていうのもある。だけどその勇者達も一人で戦ってたらやがて力尽きて魔王軍に倒された。そんな中でドゥケだけが他の騎士や戦士と連携して戦うことで生き延びた。
でもね、その騎士や戦士の殆どが何故か女性なのよ! あいつは自分の周りに女性をはべらせてそれで自分を守らせて戦ってるの!
私達はお前の引き立て役じゃない!
…なんて思っても、あいつの力がなければジリ貧だっていうのも分かる。
だけど…だけどね、なんか納得いかないのよ!
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