18 まともな話し相手が欲しい



 王子と共に、ダンジョンに侵入した奴の顔を見入った。


 少女だ。


 入り口の一番最初の所で目を回して倒れていた。


 上から落石をくらうトラップにひっかかって、たんこぶをつくっていたため、頭部に受けた衝撃で気を失ったのだろう。


 さっくり殺そうとした王子を止めて、手当する事にした。


 暗殺者は子供相手にも容赦しない。

 仕事の邪魔になるなら、その都度排除してきた。


 しかし、今は囚われている身。


「部屋に運び込もう」

「君は優しいね」


 違う。久しぶりの王子以外の人間だったからだ。


 誰でもよいから話し相手が欲しかった。


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