05 暗殺失敗からのペット扱い




 私はどうやら王子に飼育されてしまうらしい。


「ご飯は何を与えようかな。健康のために散歩は欠かせないね。あと遊ぶ玩具も必要だ」


 自分で何を言っているのか分からなくなりそうだが、現実がその通りなのだからどうしようもない。







 起きたら王子は普通の人間の姿をしていた。


 夢だったのかと思ったが、変貌する時に体の変化に対応しきれなかった衣服の残骸が床に落ちていた。


 布の切れ端を見て、考えを改める。


 あれは紛れもなく現実だった。


 この国の王子はなぜか竜になれるらしい。


 しかし、妙だった。


 竜と相対した時、私は殺されると思った。


 なのに、まだ生きている。


 手錠をかけられて、王子が寝ていたベッドに転がされていた。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る