恋なんて嫌いだ。

パタパタ

恋の終わらせ方

第1話恋が嫌いだ

 俺は恋なんて嫌いだ。


 高校2年になるまで今まで1度も誰かと付き合ったことはない。

 それはつまり俺の恋はただの1度も叶ったことがないと言うことだ。


 それでも恋は素晴らしいと言い切る猛者を俺は尊敬するし、恋を否定するつもりもない。

 ただ俺が恋なんてしたくない、そう思うだけだ。


 それでも俺は雪里ゆきさとに恋をしてしまった。

 それもすでにどうしようもなく叶わない結果が出てしまった恋だ。


 だから、やっぱり俺は恋が嫌いだ。


 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


 私は、恋なんて嫌いだ。

 あんなもの、何が良いんだ。


 好きなはずの人といつか好きじゃなくなったと言って別れる気持ちも、気持ちがすれ違って別れる気持ちも、私には何も分からない。


 ……分かってる。

 悪いのは全部、私だ。


 当然のことだが、誰もが好き合って付き合いを始めるわけではない。

 ましてや、高校生の思春期に浮かされた周りからの後押しで付き合いを始めることはよくあること。


 でもそれがあんなにも私を苦しめるとは思いもしなかった。


 ふわりとした憧れで交際を始め、愛が何かも分からないまま別れた。


 そんな不確かなものを恋と呼ぼうとした愚かな気持ちが、今の絶望を招いたのだ。


 人を好きになるということが、どれほど自分を狂わせるものなのか。

 私は気づいていなかった。


 だから、私は。

 私が1番嫌いだ。

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