恥ずかしい話

ヘイ

第1話

「あ……」

 何を言おうとしたんだったか。

 横を通り過ぎていく彼女の黒髪を目が追いかける。ふんわりと甘い匂いが鼻腔を付いて、思わずその場に立ち止まった。

 彼女は一度こちらを振り返ったようで、僕に笑顔で手を振って、短いスカートを翻して走って行ってしまった。

 名残惜しさを感じながらも、手を振ってもらえたことに僕は、若干頬を赤らめる。

 僕は小さく手を出して振り返すと、彼女は首を傾げた。

 僕も何だかおかしいなと思って、後ろを振り返ると茶髪の小さな少女がいた。

「あっ……」

 僕はすぐにその手を引っ込めて、真顔になる。

 心の中で、僕は全力で叫ぶ。

 

 ーーあああああああああああああああああああああああっ!!

 

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恥ずかしい話 ヘイ @Hei767

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