#7 好きな異性の服装を教えてください

浦見「どうも、浦見みぎりです」

淀川「淀川水面です」

浦見「今日のお便りは、ラジオネーム【吾輩は江藤である。名前は忠成】さんから」

淀川「律儀に韻を踏んでる所が涙ぐましいな」

浦見「好きな異性の服装はありますか?」

淀川「……露出が多いのは好みじゃない」

浦見「嘘を吐かないで下さい」

淀川「本当だって。だから、人前で露出の多い格好しないでくれ」

浦見「……人前でなければ?」

淀川「……安全が保障されてる場所なら良いけど」

浦見「自分の前でだけ、不埒な格好をしてほしいという事ですか。変態ですね」

淀川「そんな事は言っていない」

浦見「そうですか。では、水面さんの前で不埒な格好をするのは止めておきましょう」

淀川「……」

浦見「どうしたんですか? 物欲しそうな顔して」

淀川「そ、そんな顔してねぇし」

浦見「ほら、正直に白状して下さい」

淀川「……白状したら、着てくれるのか?」

浦見「……け、検討しましょう」

淀川「スク……いや、違うな」

浦見「今、スクール水着って言おうとしませんでした?」

淀川「全然。全く。ちっとも」

浦見「いくら頼まれても着ませんからね」

淀川「学生がスクール水着を着る事に何の問題がある?」

浦見「貴方のような人こそ、問題の生みの親です」

淀川「俺は悪くない。悪いのはスク水だ」

浦見「とにかく、スク水以外でお願いします」

淀川「……ゴスロリファッション?」

浦見「本気で言ってます?」

淀川「当然。絶対に似合う」

浦見「……そこまで言うなら、やってあげなくもないですけど」

淀川「よっしゃ」

浦見「喜び過ぎです。気持ち悪いです」

淀川「ちなみに、お前はしてほしい格好とか無いのか?」

浦見「シルエットが綺麗に見える服装ですかね」

淀川「なるほど。全身タイツか」

浦見「馬鹿なんですか?」

淀川「全身タイツを馬鹿にするな」

浦見「馬鹿にしているのは貴方です」

淀川「馬鹿って言う方が全身タイツなんだぞ」

浦見「貴方も全身タイツ=馬鹿だと言っているじゃないですか」

淀川「馬鹿っていうか、シンプルに変態だと思う」

浦見「つまり水面さんですね」

淀川「俺は変態じゃない」

浦見「貴方が変態じゃなかったら、この世に変態は存在しません」

淀川「変態は絶滅危惧種か」

浦見「絶滅すればいいんです」

淀川「守れ。ラムサール条約で」

浦見「ラムサール条約は湿地を保全する条約ですよ。貴方、湿地なんですか?」

淀川「湿っぽい名前だからな。いけるだろ」

浦見「無理です」

淀川「不条理だ」

浦見「貴方は不浄です」

淀川「不浄な全身タイツ。人として終わってるな」

浦見「自覚があるなら改善して下さい」

淀川「……分かった。スク水を着よう」

浦見「何も善くなっていません」


浦見「私が好きなのは、スーツや礼服です」

淀川「なるほど」

浦見「学生服も割と好きです」

淀川「制服フェチか」

浦見「ち、違います」

淀川「恥じる必要はない。俺も好きだ」

浦見「貴方は少しくらい恥じて下さい」

淀川「恥の多い生涯を送ってきました」

浦見「貴方の人生には恥しかありません」

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