第25話

「隆は、日継君と同じ匂いがしたの」


 警察に連行される志田。パトカーに乗る前に、彼女はポツリと言った。


「相楽君も、息子と同じ体質だったのね」


 崎守家が言っていた、相性の良い相手はそういう匂いを発しているという。


「知っていたんですね。じゃあ、龍人が行為を行う時の慣わしは知っていますか?」

「いいえ」

「龍の力を濃く受け継がせるには、十五夜の夜に子作りを行うと良い、そうですよ」


 私は一瞬、思考が止まった。


「場所はどこ?」

「龍堂家、です」


 私は倉持を見る。


「行きましょう。今日で全て、解決させます」


 私は倉持の車に乗り込んだ。


「久遠さん」


 すると奈緒が、声を掛けてきた。


「龍堂家は、龍の力をより濃く受け継いでいます。気をつけて下さい」

「分かった。ありがとう」


 私たちは龍堂家へ向かった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る