03 粗品提供



 近所のじっちゃんが言ってた。


 商売をやるときは、互いにメリットがある状況を作らなければならない、と。


 ウィンウィンになってこそ、信頼関係が築けるのだ。


 という事で、商売じゃないけど粗品を差し上げることにした。


「じゃじゃーん、私の話を最後まで聞いてくれたあなたには、どこでもいつでもウォルド様人形をさしあげちゃいまーす」


 ウォルド様の旅にくっついていく間、知り合いの人形師に作ってもらったものだ。


 サイズは大したことないけど、つくりは完璧。


 魅惑的で蠱惑的で、素敵なウォルド様の魅力がばっちり再現されている。


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