03 押し、遭遇



 騒いでたら鎧を着たごつい男の人、衛兵みたいな連中にとっつかまった私は牢屋にレッツ連行。


 そのまま、手錠をかけられて扉を閉められた。


 詰んだっ!


「あああっ、なんて不幸な私! きっとこのまま他国のスパイとか、重犯罪者とかに疑われて、言葉にするのもはばかられるような目に遭わされのだわっ!」

「そう言ってるなら、もうちょっと不幸そうな顔できねーのか?」


 あれ。

 声が聞こえた。


 鉄格子に向かって吠えたてていた私が振り返ると、そこには押しがいた。


 私が好きだったゲーム「ヒロイック・プリンス」のキャラクターだ。


 黒髪長髪の、20代くらいの人。

 そして、印象的なアメジストみたいな紫の瞳。


 どことなくエロさ漂う腰つき、足つき、胴回り!


 まさしく夢にまで見た、ウォルド様じゃないっすか!


 ここであったが百年目ひゃっほーぅい!


「ちょっ、おいっ、いきなり抱き着こうとすんなっ!」


 ちょっとそこの押し、押しよ!

 私の不幸を癒しておくれっ!


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