第109話建国以来、前人未到の地に侵攻する

さて、どうするかだな。


まずは、1発ぶちかましてもらおう。


「ホムラ!行けるな!?」


「いつでも良いですわ!どこにしますか!?」


「俺がスケルトンを弱らせる!そのタイミングで撃ち込め!叔父上!ジェネラル系は任せますよ!」


「おうよ!退屈してたところだ!」


「エリカは、無理するな!上位種は桁が違う!シノブ!フォーローしてやれ!」


「了解です!」


「わかった!ユウマお兄ちゃん!」


「では……行く……!」


俺は魔力を溜めながら、駆けだす!


「不浄なる者共よ!消え去るがいい!!エクストラヒーリング!!」


浄化の光により、スケルトン達は塵になっていく……。


「今ですわね!地獄の業火よ!全てを焼き尽くせ!ヘルフレイム!!」


スケルトンの後方にいた上位種に直撃する!


「おっしゃーー!!俺の出番だな!!」


叔父上はジェネラルの群れに突撃し、二本の宝剣を縦横無尽に振り回す!!


その度に魔物の部位が飛び、鮮血が舞う……!


終わったあとは、まさしく死屍累々だ……!


おいおい……!ジェネラルが、まるで相手にならない……!


さすがは、最強の男……!だが、俺も負けられない……!


「いくぞ……!ミストルティン!俺の魔力を纏え!!」


ミストルティンが、俺の言葉に反応する!


青い魔力を纏い、さあ振れ!と言わんばかりだ。


「眼前の敵を葬れ!魔光剣!!


俺は連続で、魔光剣を放つ!


それにより死んだ魔物から、魔力を吸収していく!


「エリカちゃん!私達は1匹ずつ無理せずに行くよー!付いて来なさい!」


「はい!シノブ義姉さん!!」


「なんて、良い響き……!」


……あいつらも、平気そうだな。


「ユウマ、行きますわよ!」


「ああ、そうだな!」


その後も魔物を倒していくが、一向に減った様子がない……!


魔力があっても、体力や精神力が持たないかもしれん……!


叔父上ですら、このままだとまずいかもな……。


国の大きさ的には、大した距離はないはず……!


ただ、圧倒的物量により、先へ進めない……!


さすがは、誰も入り込んだことのない場所だ……!


すると、その時だった。


突風が吹き荒れ、魔物達が切り刻まれていく!!


「あれは……ハーフエルフ達!そして、長であるセレス殿か!」


今のは、彼らの魔法だったようだ。


更には、グラント王率いる亜人族が突撃していく!


「今は憎しみを捨てよ!!彼らは信用できる者達だ!後で、いくらでも話し合える!!まずは、ウィンドルを叩くぞ!!」


「ウォォォォ!!!!」


物凄い勢いで、魔物を蹴散らしていく!


「ユウマ殿!無事か!?」


「グラント王!感謝します!」


「なにを言うか!先に助けてくれたのは、お主ではないか!借りは返さなくては、亜人族の名折れよ!」


「では、お願いします!回復は俺に任せてください!グラント王は、叔父上と共に!」


「任せろ!ふふ、血湧き肉躍るとはこのことよ!」


グラント王は、叔父上と並走し、魔物を蹴散らしていく!


これで、叔父上も安心だな。


さて、俺はフォローに回ろう。


「怪我人はすぐに下がってください!俺が癒します!」


「ユウマ、ワタクシは?」


「お前は休憩だ。いくら魔力があるとはいえ、精神力が持たないだろう。俺の側を離れるなよ?」


「……悔しいですが、ユウマの言う通りですわね。では、甘えさせてもらいますわ」


そのままの勢いで、500年間誰も入り込んだことのない場所へ進んでいく!






どれくらい時間が過ぎただろうか?


体感的には、5~6時間程度か?


亜人族のおかげで、俺達はたいして疲れることなく進めている。


心なしか、魔物の数も減っていたような気がする……。


そして、最後のピースが揃う。


「おーい!ユウマ殿!」


「ゼノス王!」


「おいおい、勘弁してくれ。ゼノスって呼んでくれよ」


「…….わかった。ゼノス、そちらの状況は?」


「お前さん達のおかげもあるが、トライデント方面には元々魔物は少なかったからな。少数精鋭のみでも、なんとか来られたぜ。それでだ、本拠地らしき場所を見つけた」


「なに?……その根拠はなんだ?」


「簡単だ。不自然に、ぽっかり空いた場所がある。その周りを囲むように、キングクラスが、うろついてやがる……!更には、飛竜が空を飛んでいる。怪しすぎだろ?」


「そうだな……もしかしたら結界が張ってあるのかもしれないな。いや、張ってあるな」


「ん?断言したな?どういうことだ?」


「ん?俺は今、断言したか?」


「ああ……したな。どうやら、お疲れのようだな」


「まあ、疲れてはいるが……」


「団長ーー!どうしますかー!?」


「シノブか!叔父上とグラント王を呼び戻してくれ!」


「了解でーす!」


「お兄ちゃん!」


「エリカ、よく頑張ったな。偉いぞ」


「えへへ……お兄ちゃんに褒められちゃった!」






そして、2人がやってくる。


「ユウマ、どうした?」


「実は……」


俺は、ゼノスの話を聞かせた。


「なるほど……そりゃ、怪しいな」


「どっちにしろ、放ってはおけんだろう。キングクラスが後ろから攻めてきたら、我等以外は即死だ」


「そうなんですよね……。少数精鋭で行くべきですね。シノブ!!」


「はいはーい!」


「すまんが、ルイベ少将に伝えてくれ。上位種は倒していくので、後は頼むと」


「わっかりましたー!」


シノブはその瞬足で、消える。


「さて、ユウマ。どうする?」


「そうですね……。こちらにも、強者を残す必要がありますね」


「では、我とオルガが残ろう」


「グラント王と獣人族の長なら、安心ですね。では、お任せしてよろしいですか?」


「ああ!任せておけ!」






その後、シノブが戻ってくる。


「団長!了解ですって!」


「よし!では、行くか」


「ユウマよ、待つがいい」


「これは、セレス殿」


「飛竜がいると聞いた。我と数名を連れて行け」


「……いいのですか?」


正直、物凄く助かるが……。

ホムラ1人では、限度がかるしな。


「問題ない。皆も、了承ずみだ。受けた恩は忘れない」


「ありがとうございます。正直、助かります」


これで、メンツは決まったな。


叔父上、俺、エリカ。


シノブとホムラ。


ゼノスとセレス殿。


一部のハーフエルフと、一部の獣人族。


よし!気合い入れていくぞ!






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