僕たちはセッ○スをしていない
よっち
コイツらセッ○スしたんだ...
はぁ...はぁ...はぁ...
僕と幼なじみのユイは息を切らしながら部屋から出てきた。
「ヤったな!二人とも!」
「よくがんばった!」
「これで世界は救われた...のか!?」
などと野次馬達から喝采が上がる。
僕は振り向いて部屋にかかった看板を見る。
[セッ○スしないと出られない部屋]
足早に立ち去ろうとした僕たちの前にザッ!と立ち塞がった少女、後輩の赤西麗奈だ。
「センパイ...本当にその女とセッ○スしたんですか...?」
僕は何も言えない、あの部屋で何があったか何て人に言う事じゃ無いからだ。
「したんだ...」
麗奈は俯きながら呟くと...。
「うわーん!コイツらセッ○スしたんだー!」
そう叫びながら駆け出してしまった。
彼女の好意には気づいていた、いや気づかないほうがおかしかった。
四六時中僕に対してアピールして来るしユイとのデートにも乱入してくる。
でも何も言えなかった。
僕とユイはあの部屋でそんな事していないのに...。
【ハッハッハー!私が神だ!】
とある日曜、いつものようにユイとデートをして、麗奈が乱入する。
本当にいつもの日曜日だった。
その声が聞こえるまでは。
その自称、神は突然やってきた。
空を見上げていた僕とユイは謎の光線に包まれて連れ去られた、麗奈の「センパイ!」の声を聞きながら。
気づけば真っ白な部屋、そこにヤツの声が聞こえて来る。
【見るがいい!愚かな人間どもよ!世界はこの二人に託された!】
外の映像は見えるどうやら同じ声が世界中に流れているようだ。
【今二人が居るのはセッ○スをしないと出られない部屋だ!今から24時間以内にこの二人が部屋から出なかった場合...】
ヤツは指をパチン!と鳴らす。
ドゴーーーーン!
映像に写っていた無人島で爆発が起こる。
【世界は終了となります】
ヤツはニヤリと笑った。
【さぁさぁ、君たちにもご家族ご友人、可愛い後輩ちゃんなんかもいらっしゃる事でしょう、滅亡したくなければぁー...はりきってーーイってみよう!】
僕とユイは視線を合わせ向かい合う、コクンと頷き合ってから唇を重ねる、そして部屋は光に包まれて...僕たちは部屋から出たのだった。
「ユイ」
「たーくん」
一週間前、僕の部屋。
両親が法事で出かけ、1学年下の麗奈は修学旅行中。
誰にも邪魔をされない二人だけの時間。
キスもまだだった僕たちはお互い人生で初めてのキスをしようとしていた。
『ちょぉっとまったぁぁぁぁぁ!』
まさに口づけをしようとした瞬間その声が聞こえた。
『はぁ...はぁ...その口づけちょっと待って』
ものすごい勢いで壁をすり抜けてやってきた女性に阻止された。
女性というか白い布を巻き付けたような服を着て空中に浮いている姿は神様か天使に見えた。
『あなたたちには特別な力があります』
その女神様は僕たちに説明をし始めた。
どうやら僕とユイは遠い祖先が同じでその力を強く受け継いでいるのが僕ら二人だということだ。
『神聖力と呼ばれるこの力は安全に運用されるように二人一組じゃないと使えないようになっているわ、そもそもこの力は巫女...女性にしか発現しないはずのものなのよ』
そんな事言われても僕が望んでそうなったわけじゃないし。
『力を持つ二人は引かれあう運命にあるんだけど...男女だと惹かれあう事になるのね』
なんか納得してるけどこっちは納得できない。
「で?その神聖力が有るのは良いとしてなんで僕らのキスを止めに来たのさ?」
『それは...純潔の二人が唇を合わせることで力が発動するの、ラブリリーのね』
ラブリリー?なんだそれ。
『愛し合う二人の少女の神聖な力!それがラブリリーよ!』
ますますわからん。
「それじゃあ僕とユイは一生結ばれないって事ですか?」
僕の問いに女神は。
『そういうわけじゃないわ、ラブリリーが生まれるときは邪神が生まれる時なの、その邪神さえ倒せばむしろ力はなくした方が平和の為なのよ』
ぐぬぬ、折角いい雰囲気だったのに...。
『それに復活した邪神はすぐにラブリリーの純潔を狙ってくるわ、悪いけどもう少しだけ我慢してね』
そう、だから僕たちはセッ〇スなんてしたくてもできなかったんだ。
【はりきってーーイってみよう!】
そういわれて僕たちは口づけをした、最悪の場面で最高のファーストキスを。
僕らの身体が光に包まれ...やけにポップな音楽が流れてきた!?
僕とユイの着ている服が消え白い貫頭衣のような服に変っている。
『チェンジ!ラブリリー!』
手をつないだ僕とユイの声がハモった、いやなんか高かったんだけど僕の声!
手をつないだまま宙に浮かびくるくる回る僕ら、僕の髪は赤色のロングになりユイの自慢のロングヘアは青色のショートになっている。
更に足が光ってヒールにロングタイツ!腰が光ってプリーツミニスカートが現れ上半身は巫女服をアレンジしたようなシャツに変っていた!
僕らはスタッ!スタッ!と着地すると邪神をピッと指差し!
「この世界に光がある限り!」
「邪神のすきにはさせない!」
『愛と正義の使者!ラブリリー参上!』
ドゴーン!室内のはずなのになぜか後ろで爆発が起きる!すごくピンク色の爆発が!
【おのれ!今回は男女だったから楽に力を奪えるはずだったのに!】
そう叫んで邪神が襲い掛かってきた!
あたしたちは左右に飛んで交わすと反動で戻りながら
ドゴン!
とんでもない音がしたけど邪神は黒い竜の姿になって攻撃に耐えている!
邪神のしっぽが周囲を薙ぎ払う!あたしはジャンプ!ブルーは伏せてそれをかわす!
スタッと着地した目の前に勢いを無くした尻尾が!
尻尾を掴んだあたしは。
「どっぉりゃああああああ!」
と、力の限り投げとばす!
壁に激突して動きが止まる邪神!
「ブルー!今よ!」
「青き海の優しさと!」
「赤き太陽の力強さが!」
『悪しき心を打ち破る!』
あたしとブルーはパチンッとハイタッチをして!
『ラブリリー!パープルストーム!!!!!』
あたしたちの手から赤と青の光線が飛び出し混ざって紫の嵐になりながら邪神に向かっていく!
【なめるなぁ!ゴアアアアアアア!】
邪神は口から暗黒のブレスを吐いてストームを止める!
【おおおおおおおおおお!】
気合を入れた邪神のブレスがストームを押し返し始める!
「...ざけんな...」
僕はつぶやく。
「お前のせいで僕とユイが結ばれないんだぞ!ざけんなぁ!」
僕とユイは光線を出していないほうの手をつなぐ、勿論恋人つなぎだ!
『思春期のリビドーを...なめるなぁ!』
一気に威力を増したストームが邪神を撃ちぬく!
僕とユイはコクンと頷きあうと手をおろした。
そして変身を解いて激しい戦いに息を切らして部屋を出たのであった。
この部屋で起こったことは二人と女神だけの秘密...たとえ僕を慕う麗奈であっても教えるわけにはいかないんだ。
だから僕たちはセッ〇スをしていない。
この後むちゃくちゃセッ〇スした。
唐突な短編いかがだったでしょうか?
特に何が狙いとかいう話ではありません、オチを思いついちゃったのとプ〇キュアがやりたかっただけ、ただそれだけで書いた短編になります。
自作の宣伝の意味もありまして、新規小説でこの話を読んで面白かったと思われた方は自分のメイン作品の「異世界キャンプは命がけ」もぜひ一読ください。
内容は全く違いますがテイストはそんなに変わらないんじゃないかなーって思いますので。
それではこの辺で、ナビゲーターは...よっちでした!(ラジオかよ...)
僕たちはセッ○スをしていない よっち @yotti4431
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