第270話 ゲート設置
セバスチャンから試射施設の準備が整ったという連絡を受け、俺は
そこにはセバスチャンの指示により、中央に魔導砲1門、その両脇に重力加速砲2門が設置されていた。
これらの砲は製造工場からゴーレム腕クレーンで吊り下げられ、そのクレーンが天井のレールを伝ってここまで運んで来たのだそうだ。
同じ仕組みは建艦ドックにも繋がっていて、魔導砲はレールを伝わって運ばれ最終的に艦に搭載される。
俺は
そして、重力加速砲も設置することになったのは、魔導砲の連射性能では、侵入者全てに対応できないと思われたからだ。
その時こそ重力加速砲のような高速連射性能を必要とするだろうと判断したのだ。
「よし設置するか」
俺はまず
土魔法の材料となる土は既に持ち来んである。
魔法はゼロから物質を作るより、それに近い物質を材料として用意した方が魔力効率が良いのだ。
台座をなんとなくで作った理由は、
今は
「よっこいしょ」
俺は
魔法関係は何事もイメージが大事。
俺の望み通りに
その
これで完璧に
バイゼン共和国に設置されていた時も、台座や足場などの付属設備があった。
足場は
それを丸ごとインベントリに収納したのだが、収納先でそれらは別物として分離されている。
今回俺がインベントリから出したのは、
「さすがに戦艦をも通す大きさというとデカいな」
ざっとだが、直径100mはあるだろう。
これの1/3程度が海水に浸かっていたので、水線下33mで水線上66mぐらいの高さの物は取り出せるということだろう。
俺はあの時、空中のタカオ艦上から
ここまで接近してまじまじと
俺はその巨大さに圧倒された。
円形の
その設定リングにはメモリが刻まれ、等間隔に古代文字で数字が書いてあった。
俺は言語の極みを持っているため、それが数字だと理解できた。
しかもそのリングの外側には▼と共に、何を設定するのかも古代文字で
リングの外側にある▼にリングを回して数字を合わせれば、各種設定を弄ることが出来るのだ。
今のリングの設定は、バイゼン共和国が戦艦を引き出した空間に繋がっているはずだった。
「セバスチャン、この設定値を上から書き写しておいてくれ」
リングの設定は、1番目が世界指定、2番目が空間指定、3番目から4番目が3次元座標、5番目と6番目で時間座標となっていた。
俺が言語の極みを持っていたせいで、あまりにも簡単に設定の秘密が判ってしまった。
そこにそう古代語で書いてあったのだから。
「作動エネルギーは何だ?」
これもコネクタの受け側となっている場所に古代語で書いてあった。
「100A1500W電源……」
どう見ても
しかもそんな低電力で動くって……。
古代語表記なのと低電力仕様なのは、この世界の人たちに運用を任せたからだろう。
どうやら蓄電し必要電力が溜まってから動かすようになっているようだ。
「セバスチャン、魔力エネルギーを電気エネルギーに変換できるか?」
「出来ます。100A1500Wで良いのですね?」
そういや、ここも過去に勇者が作った施設だったわ。
それが定格になっているのかね。
「まさか、この
「しばらくお待ちください」
珍しくセバスチャンが即答出来なかった。
どうやらデータバンクを検索しているらしい。
「古いデータバンクにございました。
転移魔法の応用ですので製造難易度は低いです」
そこで俺はふとあることに気付いた。
「もしかして、この電源って現地人が容易に使えるようにスペックを落としてないか?
ここの施設のパワーならば急速充電が可能なのでは?」
「可能です。バイパスを通せば直接電源で蓄電時間なしで即稼働させられます」
「改造工事に着手してくれ」
なんてこった。
俺はバイゼン共和国やトラファルガー帝国よりも簡単に
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