第37話 遠征計画
翌日 朝
俺含めて人が11人とプチ1匹と農園の人口も増え、魔導具も用意して農園も自動化したし、ゴーレムも様々な場所で活動しはじめた。
その結果俺の農園は思った以上にスムーズに回るようになっていた。
何でも俺がやらなければならないという状況を脱することが出来たのも大きい。
そろそろここでは手に入らない必要な物資や食材を外部に仕入れに行くべきだと思う。
なかなかスローライフっぽくなって来たぞ。
皆、朝の作業を終え、シャワーで汚れを落とすと、アリマとアイリーンが作った朝食を摂るために皆ダイニングに集まっていた。
人が増えたためシャワー待ちが発生し、俺が一人でシャワーを浴びるという暇は最早なくなった。
必然的に嫁達が全裸でシャワー待ちという現象が発生した。
これがラッキースケベか。(違う)
俺とシャーロは畑仕事、ターニャ、ナラン、ニルは生き物に触れる仕事だ。当然汚れる。
ミーナ、リーゼロッテ、ティアンナの三人は朝の鍛錬と称して勝手に汚れて来るので困ったものだ。
ついでにサラーナが何も仕事をしていないのに俺の隣でシャワーを浴びる。
何かのアピールなのだろうが何かは不明だ。
プチも羊を追い回して泥で真っ黒だ。
俺のシャワーと一緒に洗う。洗い終わった後の相変わらずの柴ドリルが可愛い。
シャワーヘッドは簡単に創れるが、それを設置して使用するスペースがない。
風呂場の洗い場の拡張が必要だった。ついでに全員で入れる浴槽も拡張するか。
全員で入ろうなんて、俺も嫁たちに毒されて来たのかもしれない。
女性に全裸でウロウロされても平気になるなんて、最早倦怠期?(違う)
浴室は一階だから東側に拡張し土魔法を使えば問題ない。
三階拡張の時にトイレも増やしておいて良かったな。
となると必然的に上の階の部屋が増えるな……。
「今日の予定を発表する」
皆が朝食を終え、俺はおもむろに立ち上がり宣言した。
「アリマ班、アリマ、シャーロ、リーゼ、ティアはワイバーンで
ターニャ班、ターニャ、ナラン、ニルは農園で留守番。
俺の班、俺、アイリーン、サラーナ、ミーナ、プチは東の大河の街まで進出して魚介類を調達する。
アリマ班はレッドとパープル。俺の班はブルーと白、オレンジに乗る。
サラーナが白、ミーナがオレンジに単独で乗ることになる。
ターニャ班にはもしもの時のために連絡用にピン子を残すつもりだ」
そう、俺はついに魚介類を手に入れる行動を起こしたのだ。
「はい! 旦那様、
アリマが手を挙げて指摘する。
俺は成人転生者なのでこの世界の常識に疎い。
転生者にも赤子から育ってこの世界の常識を身に着ける者から、俺のように成人の状態で転生して来てしまい、この世界の常識を全く知らない者もいる。
なので、このようなことがあれば常に指摘してもらえるように言っていた。
あ、転生者だということは言ってない。常識がないということだけを言ってある。
それで気楽に指摘してもらえるようになったのだ。ありがたいことだ。
なんと俺という主人の付き添いが無いと奴隷は街に入れないんだそうだ。
何やら親書だなんだと役所の手続き書類を揃えれば可能らしいが、それなら丁稚や下働きを使った方が面倒がないとかで、奴隷を主人無しで街に入れる手続きは形骸化し、入れないという運用になっているらしい。
他にも奴隷の保護という点で問題が発生する可能性が高い。
どうする? ミンストルまで行ってアリマ達を街に入れてから東の大河の街まで行くか……。
いや、そうすると日没までに農園に帰れなくなるし、マリマ達がトラブルに巻き込まれた時に対処できなくなるか。
俺が思案しているとアリマが解決策を示した。
「旦那様、皆で東の大河の街まで行くというのはどうでしょう?」
なるほど、買い出しなら東の大河の街でも出来るだろう。
この世界では水運は流通の要だ。
物資はまず港のある東の大河の街に集まり、内陸に運ばれて行く。
輸送費の差でおそらくミンストルよりも安い商品があるはずだ。
「そうだな。よし、東の大河の街まで皆で行って、そこで別行動だ」
「あなた様、魚は買うのではないのですか?」
アイリーンは魚を買うならアリマと行動を共にすればいいのにと思ったのだろう。
だがアイリーンの言葉に、俺はニヤリとするとインベントリから釣り竿を出した。
「いや、釣りだ」
俺は大河で魚釣りを楽しむ予定だったのだ。
これは以前からミーナと密かに計画していたことなのだ。
「えー、いいなぁ」
「私も行きたいよ」
ああ、そうなると留守番組と買い物組が楽しめないか……。
「ごめん、次は全員で楽しめるようにするよ」
今度なにか埋め合わせをしないとならないと俺は心に誓った。
生き物を飼っているから全員で出かけるというのが難しいんだよな。
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