第14話 吸血鬼について

 今回は今作における吸血鬼についての特徴の説明回です。

 そこまで皆様のイメージする吸血鬼とは乖離していないはずですので、そこまで真剣に読まなくてもいいかと思います。

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「さて、貴様の戦闘訓練も、そして実戦も行った上で、ある程度戦闘の運び方などが分かっただろうという事で、基礎に関しての訓練は終わりだ。今日は、貴様に必要な、吸血鬼を殺すための授業をする。……とはいえ、俺以外の、という注意は必要だし、たまに例外はいることもあるがな」


 そうして始まったのは、ナハトによる吸血鬼についての授業だった。

 アンジュも、これまでの授業でも真剣でなかったことなど無いが、これだけは一言一句聞き逃さないとばかりに目が真剣だった。


「まず、吸血鬼とは生き物の血液を摂取することで食事とする生き物のことで、血液を採る生き物は特に人間に限定することは無い。それでも人間を好んで襲うのは、生き物ごとに血液の味が異なり、その中でも人間の血液を好むやつが多いからだ。これに関しては好みの問題だから、全く人間を襲わない吸血鬼も極稀ではあるが存在する」


「そして、吸血する際に完全に全ての血を吸われると死ぬことになるが、血を吸った後に吸血鬼の血を身体に入れると、吸血されたものも吸血鬼となる。……とはいっても、人間以外の吸血鬼は存在しない。これは、何故かは知らんが吸血鬼の血を流し込んでも人間以外だと狂死するからだ。故に、人間以外の吸血鬼はほとんどいないと思っていい。また吸血鬼は血を吸う時に噛みついて犬歯で直接吸う場合もあれば傷をつけて血液を出し、それを操って吸収する場合もあるが、噛みつかれた場合、犬歯から吸血鬼の、そうだな、ウイルスのようなものが傷口に付着するせいで治療が出来なくなり、魔術でも癒すことが出来なくなる。自然治癒以外では傷を塞ぐことが出来なくなるのだ。……とはいっても、大概そのまま死ぬか吸血鬼になるから、そこまで気にすることは無いがな」


「次に、吸血鬼の特徴だが、見た目からいうと基本的に色白だ。これは当然のことだが、たいていの吸血鬼は太陽光を浴びると砂のようになって絶命してしまうからこそ、日焼けをすることが無く、故に色白であることが多い。もし日焼けしている吸血鬼がいたら、日光耐性を身に付けているか、もしくは吸血鬼になったばかりのやつだな。あと見た目の特徴では、犬歯が異常に発達している。これは吸血に必要だからだが、犬歯自体は縮小することが出来るから、普段は小さくしている奴が多いな。なんといっても邪魔だからな」


「そして、吸血鬼の優れているところだが、そもそもとして基本的な身体能力が高い。拳で地を割り、岩を砕くことなど容易で、10メートル程度なら楽に跳べる。とはいえ、この辺は人間でも出来る奴はいるから何とも言えないがな。さらに、基本的に夜中に活動するから夜目が効く。真っ暗な中でも昼間のようにはっきりと見えている。そして吸血鬼は身体を霧と化すことが出来る。それを応用したら、腕を増やすことも出来るし、姿を完全に隠すことも出来る。もちろん、霧になっているとはいえ感覚自体は残っているから霧に対して傷をつけることが出来るが、霧状態の吸血鬼を殺すには、ほぼすべての霧を消し飛ばす必要があるので、霧状態なら諦めるか、人型にさせる方が楽ではあるがな」


「最後に吸血鬼の弱点だが、まず日光、十字架、聖水、銀だ。特に日光は致命的で浴びたらその部分が灰となり消えていく。十字架と聖水は身体に当たるとその部分が爛れて腐り落ちる。銀もかなり致命的で、当たり所次第では一撃で絶命が可能だ。他の殺し方は、首を落とせば死ぬし、心臓に杭を打たれても死ぬ。後は燃やすことでも死ぬ。もちろん、吸血鬼自身もそれらの弱点を知っているし、警戒しているからこそなかなか死んだという話は聞かないがな。……あと、たまにおかしな奴が弱点を克服しようとして成功する例もあるから、弱点を突いたからと言って死なないやつがいることもある」


「……ちなみにだが、俺は全て試したが死ぬことは無かった。試す分には勝手にしていいが、無駄にはなると思うぞ」





 全てを話し終えた頃には、改めて吸血鬼の不死、手強さを再確認したのか少し青い顔をしていたが、それでもアンジュは必死に方法を考え始めるのだった。


「それと、この城の書庫に吸血鬼に限らず様々な書物がある。それらも好きに読んで、広い知識を身に付けることだ、もしかしたらどこかにヒントもあるかもしれないからな」



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 ……改めて、ナハトどうやったら死ぬんですか……。

 作者自身が一体どうしたら殺せるのか分からなくて悩み始めてるんですけど……。

 なんでこいつこんなに不死身、無敵な存在なんですかねー……。


 アンジュちゃん頑張れーって方は是非応援してあげてください。

 アンジュちゃんも作者も喜びます。

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