第42話:バトロワ④魔王の目覚め




「zzz」



 うーーん……。なんだかうるさいような……?



「ラァ……!……や!!」


「やっぱりうるさ……。俺の睡眠を妨害しやがって……」



 うるさい声はどんどんと近づき、とうとう目の前までやってきた。



「テメェかぁ!!」


「うごぉ……耳に響くだろうが……。うるさいよ、君」



 見た目は赤髪で爆発したようなツンツン頭。目つきが悪いなぁ……。



「オメェがこのダンジョンみてぇなのを作った張本人かぁ?」


「そうだよ……。なんで突破するんだ……。まだ寝たりないのに……」


「少しは楽しめそうだなっ!!」



 男が突然寝ている俺に向かって拳を振り下ろしてきた。



「危なっ」



 俺はクッションを浮かせ、なんなく回避。



「俺を楽しませてくれよ?さっきから雑魚ばかりでイライラしてんだよ……」


「あー……。ストレス溜めすぎると痔ができるらしいよ」


「何っ!?そうなのか!?」



 男は動きを止め、驚いた様子で俺に言ってき。



「いや………知らないけど…。適当だよ……」


「テメェェェ!!!」


「キャー、暴力反対〜(棒)」



 俺は作り上げたトラップから脱出し、男からも逃げた。



「待てやゴラァ!!」


「うわ……すごい怒ってんじゃん……。ごめんて、謝るから」


「謝っても許すわけねぇだろぉが!!」


「話し合いは無理だな……。めんどくさい相手だ……」



 俺が嫌いな人種だな……。話を聞かない人が俺は嫌いなんだ……。


 さっさと立ち去りたいところだけれど、この男足早い……。



「【紅稲妻】」



 男に向かってスキルを発動させた。


 だが男はいとも容易く稲妻を避けた。



「えぇ……稲妻って結構早いと思うんだけどなんで避けれるの……?」



 ん?そういえば俺も避けてたな……。

 ブーメンランだな。



 俺は逃げながらも始まりの街へとやってきた。

 人が戦っているところもあったが、御構い無しに突き進んだ。



「うわっ!なんだ今の浮いてた奴!」

「よくわからねぇ……けど俺たちの勝負はまだ終わっちゃ———」


「邪魔だ!!どきやがれ雑魚どもが!!」


「「グハァッ!!」」



 後ろで戦っていた二人が殴られて死んだ。パンチの威力高くない?


 てか結構早いスピードで逃げてるのになんで追いつけるんだよ……。


 早く逃げ切って寝たいって言うのにさ……。



 俺は逃げるのを上に変更した。


 どんどんと天に昇っていったが、見えない壁にあたってしまった。


 どうやらこれ以上は上には行けないらしい。



 まぁ、流石にここまでは来れないだろうと思っていたが、男はその場で踏み込んでおり、俺に向かってジャンプしてきた。



「ウラァアアアア!!!」


「うわっ、飛んできた」



 俺は急いで回避し、男との突進を避けた。


 男は見えない壁に足をつけてさらに俺に向かってダイブしてきた。



「うぉっと……」



 スレスレで避けたので少しヒヤッとした。


 空中だと捕まりやすそうなので下へ降りることにした……が、ここでミスを犯してしまった。



「あっ!!俺の枕がァ!!」



 俺の枕が落ちてしまったのだ。


 そして落下先は例の男。



「あぁ?なんだこれ、クソが!!」



 男は俺の枕を殴り、そして破壊された。



 俺の中で、何かがブチッと切れる音がした。



 俺は……静かに男の前へとおりた。



「お?ようやく逃げることをやめたのか?いいぜ!!テメェが逃げ回ってイライラしてたんだよ。早速———」


「なぁ。わかるか」


「あ?なっ、なんだ……なんだこの圧……」



 俺はクッションから降り、その場で立っていた。



「俺はなぁ……普段は全く怒らない。疲れるからだ。だけど俺の大事な物を失った時は……腹の底からその相手を……俺の気がすむまでボコボコにしたいと思うんだよ……!!」


「つ、つまり……なんだよ…」



 男は少し震えながらも、この状況を楽しんでいるようだった。



「お望み通り戦って……お前をぶっ殺してやるよ……!」



 俺は殺気を全開にし、右目を紅蓮に輝かせ、さらに全身に紅の稲妻を走らせた。




《スキル【威圧】が、【魔王覇気】に進化しました》



《称号、【魔王】を手に入れました》



 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄



はい、ガチギレモード入りましたー。


次の投稿もちょいと遅くなると思うのでよろしくです。

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