第37話:イベント開催前日
「おい、おい!起きろ、紅羽!!」
「んがっ……。なんだよ姉ちゃん……今日は土曜日だゼェ……」
「姉ちゃんでもねぇし土曜でもねぇわ!!」
「んぅ……?あれ、学校…?」
えーと……あ、そうだ。優流に学校まで運んでもらったんだった…。土曜日じゃないのか……やる気なくなくなった。
「おお…クレ×スグてぇてぇ」
「わかるか、同士よ……」
「お前ら腐女子共は黙りやがれください」
「相変わらず寝てんなぁ」
「こりゃ優流、毎週運ばなきゃならなくなるな」
「ご愁傷様ってやつだな」
俺は自分の席に座り、自分の腕を枕にしてもう一眠りした。
〜〜
「おーい、紅羽起きろ!」
「起きてる……」
「えっ、目開いてるのに焦点合ってない。怖いぞ、なんか」
今さっきまで目開けたまま寝てたからな。
ようやく四時間目が終わったのだ。
「約束守ってくれよ?」
「約束ぅ?」
「おいおい、早速忘れてるよ!パン奢ってくれんだろ!?」
「ああ……忘れてた。行こうぜ」
俺はゆっくりと席を立ち上がり、パンを買うべく歩き始めた。
「そういえばイベントもうすぐだな!」
「ん……?ああ、そういえば明日だっけ……。優流も出るのか?」
「そりゃもちろん!なんせ初イベントだからな!」
正直全く乗り気では無いが、新たな睡眠グッズが手に入るのならば出し惜しみはしない。
「何人ぐらいが参加するんだ…?」
「え、さあ…。でも初のイベントだからゲーム持ってる人の殆どが参加するんじゃねぇの?」
「うわ…まじか……」
睡眠グッズは欲しいが、それだけ手に入ればいい。だからあまり戦わずに、最低限の戦闘でやらなければ……。
優流に金を渡してパンを買わせ、その後の授業は爆睡した。
〜〜
「ああ……帰ってきた……我が家へ……」
帰りも優流に背負ってもらおうとしたが、流石に“行きだけ”となった。というか、そうさせた。
「も…無理……」
俺は玄関で倒れ、そのまま這い蹲りながらリビングへと向かった。
偶然か、それとも必然的なのか、イベントの開催日…つまり明日はなんと祝日なのだ。
だからさらに人数が増えるだろうなぁ……。
「はぁ……。祝日でなぜ戦闘しなければならないんだ……」
そんなことを思いながら手洗いうがいをした。
するとお腹が突然鳴り出した。
俺は空腹を紛らわすため、再び眠りについた。
〜〜
「紅羽ー?」
「zzz」
「起きろー。起きないと今開いてる口に指突っ込むぞー」
「んんん………?」
なんだ…?今寝ぼけ眼で目の前のものが何かわからない……。
棒っぽくて、少し細い……ポテトか…?
少々お腹が空いていた俺は無意識のうちにそれを食べようとし、それを口に含んだ。
「〜〜〜!?!?」
「んー……?」
なんだこれ…全然味がしない……。ポテトじゃない……?
「ちょ、ちょっと紅羽!!あんた何やってんのよ!!!」
「………あれ?姉ちゃん…?」
ようやく目が慣れてきたと思ったら顔を真っ赤にした姉ちゃんの姿か見えた。
「ポテトは……?」
「本当に何言ってんの!?ちょ…ちょっと私風に当たってくる!!」
「姉ちゃーん……」
突然姉ちゃんが走り出して外へ出て行ってしまった。……どゆこと?
その後は姉ちゃんがご飯を作ってくれたが、俺の口元ばかり見ていた……。
いや、どゆこと?
訳がわからぬまま、俺は風呂へ入り、そのまま眠りについた。
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投稿遅れてすまぬ!
いよいよ次回からイベント開催です!
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