あなた以外愛せない
ハル
第1話 幼なじみ
「麻魅、入るぞー」
カチャ
私の許可も聞かず私の部屋のドアが開く。
「きゃあっ!」
「うわあっ!悪い!」
バタン
私の部屋のドアが閉まる。
着替え中に入ってきた幼なじみの
邑基 劉史(ゆうき りゅうし)15歳。
そんな私もまさかドアが開くとは知らず驚く。
カチャ
部屋から出る私。
「もうっ! 信じらんないっ!幼なじみとはいえ、声かけだけじゃなくてノック位しろっつーの! 礼儀でしょうっ!?」
「仕方ねーだろ! 着替え中だったなんて思わねーし」
春。4月。高校1年生。
幼なじみ4人、同じ高校に入学した。
私、霞賀 麻魅(かが あさみ)15歳。
私達は騒ぎつつ、学校に向かう。
その途中。
「よー、二人共」
「あっ! 亘希(こうき)」
彼もまた私の幼なじみ。
間渕 亘希(まぶち こうき)15歳。
そして、もう一人の幼なじみ。
家神 友美(やがみ ゆみ)15歳。
私達4人は保育園からの付き合い。
劉史は、お調子者だけど、責任感が強い
亘希は、社交的で人気もそこそこで、男女問わず友達が多い。
友美は、可愛い系で、大人しい性格で放っておけない。
私は、気が強く、多少の護身術、武術が出来る女の子。色気なんてないと思われる。私、個人的な意見だけど。でも本当は淋しがり屋で……
「高校生かぁ~」と、私。
「良いじゃん! 華の高校生活じゃね?」
と、劉史。
「華の……高校生活……あんたの口から似合わないよ! 劉史君!」と、私。
「うるせータコ!」と、劉史。
「タコは海にいます!捕って来なよ! 4人分」
「お前さー、その性格直さねーと一生独身だぜ?」
「別に良いし! 私、主婦業向いてないし、結婚するなら料理上手な相手!」
「一生無理! 男、寄らねーだろ?」
私達は騒ぎながら向かう中、他の二人の幼なじみは
「二人っていつも騒いで、あーいう関係って良いなぁ~」
「友美? 何言ってんだよ! 友美も幼なじみだし遠慮しないで良いと思うけど?」
「ううん。麻魅ちゃんみたいな性格が羨ましいんだ。言いたい事が言えて……私、こんなだから、いつもみんなに助けられて」
「良いじゃん! 別に!」
「えっ?」
「友美は友美らしくいれば良いんだし、俺達がいるから何の遠慮しなくても良いって!」
「亘希君」
「なっ!」
「うん」
私達4人は、色々話をしながら学校へ向かう。
その日の帰り。
「なあなあ、クラスメイトにさ、すっげー真面目そうな男子いたじゃん?」
と、劉史。
「真面目そうな……男子? あーいたね? 確か岾下 稔樹とか言ったっけ?」
と、私。
「あー何か、そういう名前だった気がする」
岾下 稔樹(やました としき)15歳。
至って真面目そうな雰囲気を漂わせていた男子生徒。
もの静かさがあって、何処か取っ付きにくいタイプ。
眼鏡かけて、ガリ勉タイプ寄りで正直謎めいている彼のイメージがあった私。
そんな彼の存在が私のイメージを覆されていくのだった。
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