「クレオパトラの夢」 バド・パウエル

<タイトル>


クレオパトラの夢


<収録アルバム>


ザ・シーン・チェンジス


<アーティスト>


バド・パウエル


<解説>


 バド・パウエルはアメリカのジャズ・ピアニストであり、ビバップというスタイルの第一人者に位置づけられています。


 「クレオパトラの夢」は傑作アルバム「ザ・シーン・チェンジス」のオープニングナンバーで、タイトルのとおりエジプトっぽいメロディが特徴です。


 コード進行か何かによって「エジプトっぽい」と感じるのでしょうが、とにかくエキゾティックでキャッチーな音楽ですね。


 センスのよいアドリブがさえわたっていて、これも気分が最高になります。


 バド・パウエルはキャリアの途中でメンタルに不調をかかえており、このアルバムはその回復から最初のものだということです。


 指回りもあやしく、うなり声(うめき声?)も入っているのですが、これはむしろ彼のおそるべき個性であり、まさにアートだという印象があります。


 クラシックでは奏者が先か、音楽が先かという哲学的な命題があるのですが、バド・パウエルを聴いていると、それを思い出してしまいます。


 表現者と言ったほうがしっくり来るというか……


 とにかく鬼気迫る名演ですし、先のとおりアルバム自体がすばらしい作品になっておりますので、一枚とおして鑑賞したいところです。

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