掲示板22 宙の怪物

名無しの兵士さん

悲報 新型特務専用機、実戦投入されてしまう。


名無しの兵士さん

悲……報?


名無しの兵士さん

朗報ちゃうんかいw


名無しの兵士さん

タコにとってはやろ


名無しの兵士さん

あーね


名無しの兵士さん

欠陥機やったんか?


名無しの兵士さん

まるで今まで乗ってたチキンレースとバードが、欠陥機じゃなかったかのような物言い。


名無しの兵士さん

それw常に欠陥機乗ってたからw


名無しの兵士さん

え!?軍の兵器なのにたった一人しか乗れない!?


名無しの兵士さん

しかも許可がいるとか単座とか関係なしに、技量的に扱えないというw


名無しの兵士さん

星系連合と散々揉めたやつ?


名無しの兵士さん

そう、その揉めてたやつw


名無しの兵士さん

ええ…


名無しの兵士さん

何があったんや…


名無しの兵士さん

全ての発端は、星系連合が重要惑星の陥落を防いだ特務が、扱える機体が無くて困ってるという事を聞いたのが原因。


名無しの兵士さん

ほうほう。


名無しの兵士さん

ふむ。


名無しの兵士さん

そっから、俺らの英雄だし向こうにとっても恩人でもあるから、一機位なら新しいの作って、よいしょしておこうと考えたっぽいんだよな。


名無しの兵士さん

あ…


名無しの兵士さん

これはいけない。


名無しの兵士さん

やってしまいましたなあ…。


名無しの兵士さん

軽い気持ちやったんやろうなあ…


名無しの兵士さん

まずは現場の技術交流から。


名無しの兵士さん

こっち貰いっぱなしやろw


名無しの兵士さん

ありがたや


名無しの兵士さん

あんまりいい事じゃないけどなw舐められるから…


名無しの兵士さん

いや、それがそうでもなくて、リヴァイアサンやらカブトムシなんかから吸い出したタコの技術とか、それをこっちが人類風に発展させた技術にかなり食いついてた。もちろん最重要は見せてないけど、まあ、それはお互い様っしょ。


名無しの兵士さん

ほへえ。ありがとうタコ君!君たちの技術は役立ってるよ!


名無しの兵士さん

両方特務が無傷で盗んだやつやんけ!


名無しの兵士さん

まあそんな訳で、現場の技術者たちは、最初は仲良くやってたんや。


名無しの兵士さん

最初w


名無しの兵士さん

うーん期間限定w


名無しの兵士さん

そこに特務が来るまでは…


名無しの兵士さん

悪魔が来たぞおおおおお!


名無しの兵士さん

無茶ぶり!無茶ぶり!無茶ぶり!


名無しの兵士さん

いや、ホンマに無茶ぶりするんだって!


名無しの兵士さん

開発組の俺が特務の要求を教えてやろう。


名無しの兵士さん

絶対ぶっとんでる(確信)


名無しの兵士さん

正気を疑いそう(確信)


名無しの兵士さん

1、特務「ずっと戦えるようにしてください」要約


名無しの兵士さん

しょっぱなから無茶なw


名無しの兵士さん

ずっとってどれくらいだよ!


名無しの兵士さん

もう頭痛いw


名無しの兵士さん

2、特務「装甲とか要らないんで、取り外してもいいです。だから思い通りに動かさせてください」


名無しの兵士さん

2重の意味で無茶なw


名無しの兵士さん

要らないわけないだろ!それと、あんたの思い通りに動かすなんて無理なんだよ!


名無しの兵士さん

馬鹿じゃねえのw


名無しの兵士さん

弾なんて当たらないという凄みを感じる。


名無しの兵士さん

3、特務「いっつも弾切れして困ってます。何とかしてください」


名無しの兵士さん

1と一緒じゃねえか!


名無しの兵士さん

それだけ不満なんだろw


名無しの兵士さん

4、特務「普通の人の限界値よりもずっと上でお願いします」


名無しの兵士さん

はなからそうだよ!


名無しの兵士さん

チキンレースの時点で常人には無理なんだよ!


名無しの兵士さん

バードはもう人間が乗る機体じゃねんだよ!


名無しの兵士さん

大体以上が特務の要求になる。


名無しの兵士さん

要求× 無茶ぶり〇


名無しの兵士さん

現場「どうしろってんだ…」


名無しの兵士さん

特務の欲しい能力の数値を書き出したら、星系連合の人らに、そっちは無人機だから生身に縛られてないのかって感心されたよ。


名無しの兵士さん

ナチュラルに人が乗るって考えが出ないスペックかいw


名無しの兵士さん

いいえ有人です。


名無しの兵士さん

そこからが地獄の始まりですよ…。生物が動かすには絶対無理だからやめとけっていう、あちらの技術者を何とか説得して、設計に取り掛かったけど…


名無しの兵士さん

特務の要求通りのスペックなんだろw?向こうが正しいw


名無しの兵士さん

生物じゃないから平気平気


名無しの兵士さん

やっぱりサイボーグ…


名無しの兵士さん

いやあしんどかった。まず、ずっと戦えるっていう訳分からん要求から蹴躓いたからね。


名無しの兵士さん

そりゃそうだw


名無しの兵士さん

どうせえとw


名無しの兵士さん

幸い、バラしたカブトムシの一号機の動力炉を、あちらさんの技術でなんとかシェイプアップして、人型機動兵器に搭載できたんだわ。これ本当に機動兵器?って出力になったけどw


名無しの兵士さん

そらそうだw殆ど陸上戦艦だろあれw


名無しの兵士さん

すげえ早そう…


名無しの兵士さん

いや、マジで速いなんてモンじゃないから。ワープ考えないなら、人類が持ってる中で一番早いんじゃねえかな?しかも運動性落ちてないし。


名無しの兵士さん

代わりにマジで装甲無い上に、乗ったら有機生物なら間違いなくミンチになるけどww


名無しの兵士さん

げええw


名無しの兵士さん

有機生物じゃないからセーフ


名無しの兵士さん

うそやろw


名無しの兵士さん

ほんとほんと。兵器って言うか、人型兵器の形したジェネレーター


名無しの兵士さん

まさにそれw


名無しの兵士さん

一発でもどっかに当たると、エネルギーが暴走してボカン


名無しの兵士さん

爆弾じゃねえかw


名無しの兵士さん

特攻兵器に違いない。


名無しの兵士さん

そんで弾の方はどしたん?


名無しの兵士さん

もう思い切って、全部ビームにした。出力お化けだから余裕で出せる。


名無しの兵士さん

思い切ってって言うけど、めんどくさくなった、だけじゃないっすかね?


名無しの兵士さん

ぎく


名無しの兵士さん

弾じゃないから、弾切れは起きないという逆転の発想。


名無しの兵士さん

両手にビーム砲。両腕に内蔵ビーム。両肩からビーム砲。両腰にビーム砲。つま先に内蔵ビーム。これが武器


名無しの兵士さん


名無しの兵士さん

大丈夫?お医者さん行く?


名無しの兵士さん

何言ってんだおめえ?


名無しの兵士さん

ビームがゲシュタルト崩壊起こしそうなんだけど。


名無しの兵士さん

ジェネレーターが動いてんのか、ビーム兵器が動いてんのかもう訳分かんねえな…


名無しの兵士さん

星系連合の人らも、作ってる時は目が死んでたからな。


名無しの兵士さん

そりゃ超高価な産廃作ってんだからなw意味のねえw


名無しの兵士さん

だがしかし…


名無しの兵士さん

奴が…


名無しの兵士さん

そこには出来た完成機をぶん回す特務の姿が…


名無しの兵士さん

やっぱりねw


名無しの兵士さん

知ってた(白目)


名無しの兵士さん

いやあ、あちらさんの表情ときたらw


名無しの兵士さん

見たかった様な見たくないような…


名無しの兵士さん

叩きだしてる数値を二度見三度見w


名無しの兵士さん

現実が間違ってるからしゃあない。


名無しの兵士さん

そんで話は最初に戻って、ワープ船で星系連合に遠征してる部隊と合流して、実戦に投入したという訳。


名無しの兵士さん

テストほとんどしてねえじゃんw


名無しの兵士さん

あの時ビームバラまいてたのやっぱりその機体か…


名無しの兵士さん

マジで鎧袖一触だったからな…


名無しの兵士さん

敵艦隊のド真ん中で遊んでましたね…


名無しの兵士さん

ビームにスライスされてたからなあw


名無しの兵士さん

そんで肝心な特務の感想は?


名無しの兵士さん

テスト中に鼻歌歌ってたぞ


名無しの兵士さん

これはお気に入り間違いなし!


名無しの兵士さん

愛人がついに出来上がってしまったのか…


名無しの兵士さん

ミンチ製造機の中で鼻歌かあ…


名無しの兵士さん

やっぱ特務はすげえな!


名無しの兵士さん

せやな!


名無しの兵士さん

せやせや!


名無しの兵士さん

特務!特務!特務!


名無しの兵士さん

特務!特務!特務!


名無しの兵士さん

そいうや機体の名前は?


名無しの兵士さん

ああ忘れてた。特務が直接名付けてね。"バハムート"だってさ。




皆様がご覧になっているのが、ガル星人との戦争。通称、ショックウォー後期に、かの特務大尉が搭乗していた事で知られる人型機動兵器"バハムート"になります。


カラーリングは特務大尉のパーソナルカラーとも言える深い青色で、当時の機体としてはかなり大型でマッシブ、全体的なパーツがやや四角なのが特徴的です。


星系連合との技術交換もあり、一説には戦艦に匹敵する出力を得た本機は、圧倒的な推進力と運動性、全身から発射されるビーム兵器を搭載されており、当時の技術体系の頂点とも言える機体でした。しかも、パイロットの事を全く考慮していないスペックであったため、戦後20年たった今でも、この機体を凌ぐ機体は現れていません。


現に特務大尉はこの機体で、戦争後期に確認されただけでも、ガル星人の戦艦89隻、戦闘空母104隻、巡洋艦573隻、駆逐艦1152隻、その他小型艇、戦闘機に関しては総数不明と、華々しいという言葉では表せないほどの大戦果を挙げています。


しかし、その代償として先程も述べた様に、パイロットの安全を全く考えず、人間が耐えることのできない速度や、装甲が無く、むき出しと言っていいジェネレーターなど、兵器と言うにはあまりにも極端な本機は、特務大尉のMIAに伴い、誰も動かせることが出来ず、今はこうして博物館に安置されています。


センター終戦記念博物館でのガイドより

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