音声ログ2 タコ地獄絵図編
ようこそエージェント。
このデータは、第629惑星で入手した、ガル星人の音声ログになります。再生しますか?
はい
それでは再生を開始します。
◆
『現在、我が軍が優位に進展中』
『了解。超大型多脚戦車、"カブトムシ"の整備状況は?』
『完了済み』
『了解。不測の事態まで待機。なるべく戦線への投入は控える』
『了解』
『報告。敵司令部と推測される地点に、揚陸艇多数が大気圏を突破して到着予定。一個大隊相当』
『了解。予備兵力の前線投入の準備開始』
『了解』
『我が軍、敵の前線を突破中。依然優位』
『了解』
◆
『こちらに接近中の敵ヘリコプター補足。数1』
『了解。対空ミサイル発射』
『了解。対空ミサイル準備。発射』
『発射』
『迎撃されました。方法不明』
『もう一度発射せよ』
『了解。発射』
『理解不能。再度迎撃されました。敵新兵器の可能性あり』
『敵、頭上を通過します。投下物1!』
『爆弾!?総員伏せよ!』
『全く。長々と挨拶を受けるなんて御免だ』
◆
『我が軍、突出部隊からの連絡途絶』
『了解。戦線の再構築を優先』
『了解』
『予備兵力を投入。同時に、特殊部隊によるハラスメント攻撃開始。戦線構築までの時間稼ぎでいい』
『了解』
◆
『ボギル!?隊長!ボギル行方不明!』
『全周囲警戒!副長合流せよ!副長?副長応答せよ!』
『ボギル!?ボギル何処だ!?』
『1階班!行方不明者多数!2階へ突入せよ!1階班?1階班応答せよ!』
『ボぎゅ!?』
『て!?』
『しまった。ハサミのままだった』
◆
『特殊部隊連絡途絶。我が軍、前線突破されつつあり』
『了解。"カブトムシ"投入。目標、敵機甲部隊』
『了解。超大型多脚戦車投入。目標、敵機甲部隊』
◆
『こちらカブトムシ。敵機甲部隊攻撃中。圧倒的優位』
『了解。攻撃続行』
『了解。訂正、気密処理に問題発生』
『了解。作戦続行の可否を判断せよ』
『いいおもちゃだ。この前は、ステルス揚陸艇だけしか技術部に送れなかったからな。これを送ったら、向こうも喜んでくれるだろう』
『パイロット?貴官、所属と階級を明らかにせよ』
『人類連合軍、特務大尉』
◆
『超大型多脚戦車、我が軍を攻撃中。奪取されたものと推測』
『理解不能』
『同意』
『同意』
『周囲の多脚戦車を使い、カブトムシを破壊せよ』
『了解』
◆
『目標、超大型戦車!主砲発射!』
『発射!』
『失敗!着弾無し!』
『我が隊、着弾無し!』
『理解不能!再度主砲発射!』
『発射!』
『着弾無し!理解不能!』
『敵!回避行動を確認!』
『理解不能!カブトムシに、回避プログラム未搭載!』
『照準システム異状なし!』
『理解不能!』
『センサーに感!我が車両照準される!』
『かい!?』
◆
『隊長!タコの超大型戦車がこっちに!』
『多分特務だ。というか絶対特務だ』
『どうすんすかね?やっぱあれでタコの基地を吹っ飛ばすのかな?』
『いや、司令部から、タコの基地を押さえるように言われている。情報のすり合わせをしたいとかなんとか』
『うへえ』
『うっわ。近くで見たらすんげ。どんだけアホみたいな戦車作ってんだよ』
『特務!ご苦労様です!』
『やっぱ特務だった…』
『げえ!?上から飛んだ!?』
『ちょ!?特務!?』
『問題ない。戦況は?』
『え?あっ!はっ!我が軍が圧倒しております!我が隊は基地の制圧を命じられております!』
『うっそだろ…100メートルはあるぞ…』
『分かった。俺も同行する』
『はっ!ありがとうございます!』
『それと、足元に転がっているそのタコ、生きてるぞ』
『はっ!?』
◆
『第4中隊連絡途絶!』
『機甲部隊連絡途絶!』
『戦線崩壊!我が軍潰走中!』
『敵部隊!当基地に侵入!』
『基地防衛隊から救援要請多数!』
◆
『バギガ、ルガウ。敵突入と同時に、攻撃開始』
『了解』
『了解』
『クリア!』
『クリア!』
『…敵接近中』
『と、特務?』
『壁を?』
『伍長!中をクリアリングしろ!』
『はっ!これは!?タコが死んでいます!まさか壁から!?』
『特務!?また第六感なんですか!?それとも透視できるんですか!?特務!?』
『やっぱ人間じゃねえわ…』
『帰ったら掲示板やろっと…』
◆
『基地司令!防衛隊全滅!敵部隊目前!』
『扉を封鎖!急げ!』
『ぎゃ!?』
『ごっ!?』
『ぎゃああ!?』
『嫌だ!?』
『クリア!』
『クリア!』
『何で一人机の下にいるんだ?』
『ひいいいい!?』
『おい。お前に番号はあるか?9番みたいなやつだ』
『"死の使い"!?"悪魔"!?"怪物"!?"化け物"!?"いてはならない者"!?"許されざる者"!?』
『質問に答えろ』
『理解不能!なぜ我々を殺す!?我々は"唯一正しき者"!宇宙の支配者!ぴぎゃ!?』
『なぜ?何故だって?お前達に、子を殺された親の悲しみが分かるか?親を殺された子の嘆きは?夫を、妻を殺された者の怒りは?子と孫を殺された老いた者達の絶望は?分かっていないだろう?分かっていないから俺はお前達を殺すのだ。そして、もうそんな事をお前達にさせないために、我々軍人は死にに行くのだ。そうだろう戦友諸君』
『『『『『『『サーイエッサー!』』』』』』』
『お前達が唯一正しいというのならば、俺が一を零にする。例え宇宙の果てに逃げようがだ。必ずだ。必ず』
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