第4話
自習も終わりすっかり外は暗くなっていた。
当然こんな遅くまで残っている生徒は居らず、この空間は静寂で満ちていた。
僕はこの空間が好きだ。集中できる。
電車が有るので見切りを付けて片付ける。
今日は予想よりも時間が掛かってしまった。
電車の時間が迫っている。
時間がないので小走りで駅へ向かった。
夜風が冷たくて手が凍るように痛い。
やっと駅に着いた。電車はまだ来ていない。
「勝った」
何に勝ったかはわからないが電車に間に合うとなぜか優越感がある。
四時五時では帰宅する学生でごった返しているけども、この時間では学生は尚更、会社終わりのサラリーマンもあまり居なかった。
電車に乗る。
当然ながら車内はがら空き。
夜の田舎の電車なんてこんなもんだと思う。
乗車した矢先、気になっていたあの女性が座っていた。
僕は困惑してシートに座ることが出来なかった。
車内には暖房の生ぬるい空気と不穏な感情で足が動かなくなっていた。
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