47缶目 歩いて


僕を生かす電気信号に嫌気がさしてコンセントさした有線の不便さは丁寧な暮らしと言い換えることができるかどうか


USBメモリでどこまでも貴方の記憶を連れて残しておけるなら脳からは消しましょうなんてそんなこと言えますか言えないでしょう意気地のない貴方には


僕ら電車の窓の隙間から出たり入ったりする空気を眺めて途方にくれるような有り様で空は澄んで川の水面は煌めいて外はいつまでも暑くて


頑ななQEDを壊せるほどの自信もキャリアも実力も気概も勢いも金も力も気持ちもない貴方ができるのは努力だけだったと言っていいのは貴方だけ誇りなよ


僕を生かす電気信号に貴方の瞬きを上乗せする遠い閾値を超えるそしてきっと貴方の隣に並ぶんだ



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