02 彼のタスク
「あっ。主任。待ってましたあ」
「おい。なんだ。なんだこれは。待てっ。おいっ」
「わたしも混ざろうかしら。いいですか?」
「どうぞどうぞ。主任は鍛えているので、二人で相手しても大丈夫でしょう。ね、主任?」
「待て待て。なにがっ。なにがどうなっているっ」
「本のなかへ。ようこそ。最初に断っておきますが、ここからは、自分の意思で、いつでも出れます。そしてここは、さっき見せた雑誌のなか。虚構ではなく、現実です」
「本の、なか」
「あら。いつでも出ていけるのに」
「主任は出ていかないですよ。わたしのことが好きですもの。ほら。準備がもうできてる。なんと立派なタスクですこと。はやくほしい」
女性警官。もうすでに、こちらに手を伸ばしつつある。女も、服を脱ぎはじめた。眼鏡。外している。貌が。肢体が。露になる。
「ほら。出ていかない。主任。わたしは、あなたを待ってました。魔女さんも、どうぞ。わたしは先にタスクのある下を」
「では、異世界先生のご相伴に預からせていただいて。わたしは上を」
指が。身体が。迫ってくる。
女。
魔性の、笑顔。しなやかに。重なってくる。
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