自分語り

どっかのモブ

第1話「変わらない日々」

 学校へ行き、勉強をし、部活に参加し、家に帰る。毎日毎日同じことの繰り返し。同じような話しかしない友人と、同じような反応しかしない自分。変えたいようで、変えるつもりのない日常。


 ふとたまに思うことがある。すべてをほっぽり出して、自由気ままに生活したい。アニメや漫画みたいに、異世界でチート能力を備えながらスローライフを送りたい。学校なんて行きたくない。勉強なんてしたくない。強制されたくない。宿題も、部活も、習い事も、勉強も。すべてをやめてしまいたくなる。でも、どんなに何もしないで過ごす妄想をしても、朝になったらまたいつもと同じ日常が始まるんだ。不満しかない。

「勉強したくないから、専門行きたい。」

私が何気なくはなったその一言は、母の言葉で相殺される。

「専門だって勉強はたくさんするし、あんたは頭良いんだから大学行った方がいいんじゃない?」

私の母は決して意見を押し付けてこない。この十六年間生きてきて、意見を押し付けられたことはほとんどない。料理がうまく、理想的な母だと思う。しかし、だからこそ、母の言葉は私の中で絶対なのだ。

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