短い短いひとりごと。
唐崎 さき
存在
熱い紅茶に氷をひとつ
ぽとんと落とす。
ぱちんと音を立て
氷にヒビが入った。
氷はカップの中を
スイスイと泳ぐ。
やがてじゅわりと
消えてなくなった。
少しの寂しさを感じながら
紅茶を口に含む。
熱々だった紅茶は
丁度飲めるくらいの温度になっていた。
形は消えても紅茶の中に
氷は確かに存在していた。
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