しろのわーる。
しろ
夢で見たって話
やめときなよ、1ヶ月も外出てないらしいよ
もうあの部屋蒸しきってるよ
ドアが開かないようにドアの前に物まで置いてるんだって
そんな周りの言葉なんて耳に入らない。
早くオッパに会いたい、声が聞きたい、顔が見たい。
そんな事を考えながら髪を乾かす手に自然と力が
入る。
私が心配なのは、全然会えてなかった間オッパが私のことを忘れてないかとか今遊びに行ったら眠くてイライラしてないかな?とか。そんな事。
まだ完全に乾ききってない髪のまま2階にあがる。
なんだか緊張しちゃって自分の部屋に入ってしまった。
オッパの部屋は私の部屋の向かいにあって、よく夜中とか遊びに行ったっけ。
自分の部屋で上がりきった気持ちを落ち着かせまた
部屋の前に立つ。
実際に部屋の前に行くと、無意識にドアをノックしていた。
すると予想以上に早くドアが開いて久しぶりに笑顔のオッパが立っていた。
髪を切ったのか寝癖でボサボサ。いつもの真っ黒な部屋着。
なのに笑顔はやっぱり可愛くて、なんて話しかけようなんて考えは吹き飛んでオッパに抱きついた。
「あー、なんでまたお前はすぐそうするんだよ」
なんていいながらも笑ってて体を離そうとはしない。
かわいい、大好き、そんな感情が一気に溢れ出してくる。
オッパは新しく出るグループのために曲を何個か用意してたらしくて、一ヶ月部屋に篭っていた意味が分かった。
オッパが作る曲はどれも凄く良くて、オッパが担当したグループは絶対売れる。
なのになんで皆してオッパのこといじめるんだろう。
もっと抱きついていたいけど、これじゃ話も出来ないからとりあえずソファに座った。
「今なにしてたの??」
「曲作ってた、もう終わるとこ」
「そっかそっか」
「お前は?」
「わたし?」
「ここ数ヶ月、何してた」
肘をついて手を顎に乗せて少し微笑んだようなその表情は、何を考えてるのか分からないけど少し寂しそうにも見える。
「バイト先がね、リニューアルする事になってしばらく移転先の近くで寝泊まりしてたの
言わなくてごめんね」
ほんとは言おうと思ってたけど、まさかこんなに長引くとは思わなかったし。。。
それに顔をみたらもっと離れたくなくなるだろうから
言うのはやめた。
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