何気ない日々に祝福を!

箱丸

第1話 日常

 けたたましいに私は目を覚ます。

「うっせぇ……」

 つい私は男語を発生してしまう。

 そして、サイレンの発信源を止めようとした。

 ない。あれ、ない。

 私は枕が足元にある事に気づく。

「あっ……」

 まただ。寝相が悪いのは定期だが、上下逆さまなのま究極。

「鏡よ鏡よ鏡さん、今日の状況!」

 私は近くの万能鏡に話しかける。万能鏡は文字通り万能で、天気予報や動画再生をこなすやばい鏡。

「おはようございます。本日は快晴25℃、トップニュースは首都高湾岸線で高級車1台が単独事故で炎上」

 過ごしやすい気温だが、ニュースで気分が下がりかける。

 最近事故が多い。ついこないだは、環状線、目黒線、池袋線。とにかく多い。

「落ち込んでられないね。よし、行こう」

 そう、私は家を出た。


「あれ、ここ玄関先じゃない」


 扉を開ければ甲州街道が目の前にあるはずだった。

 だが、ない。あるのは森。

「はぁー……?」

 寝ぼけてんのか?

 やけにリアルな夢だ。

 1回戻り、もう一度出る。

 やっぱ森だ。

 まてまてまて。よくある転生だかの異世界に飛ばされたやつ―――……?

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