生と言う苦

 大病を患ったものが居る。

 通院や手術に膨大な資金を要する。

 自身の人生を歩むために病気を克服せねばならぬ。

 生きるために通院する。通院するために労働する。

 果たして、それが一生治らぬ病気だったとして、彼はなんのために働いているのか。

 その無限の責め苦から逃れるためには、死以外は有り得ないと言うのに。

 他人はなにを呑気のんきに——或いは偉そうに、「諦めるな」と怒鳴り散らしているのだろう?

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