虚構の中の真実

詩一

欠落を知る

 この世の全ての人間は欠落している。

 それに気付かぬ者は幸福を得て、気付く者は不幸を得る。

 気付く者の中で諦める者は希望を得て、抗う者は絶望を得る。

 己を知ると言うことは、欠落を埋めるための自傷行為に他ならず、同時に不幸と絶望を極めることでもある。

 しかしその先にこそ、真実はある。

 さもなくば、聡明さを持ち、立ち向かう者の行く先は星なき夜の砂漠。

 その否定のために、真実は闇の中に鎮座しているはずなのである。

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