第50話

試合から一週間過ぎた土曜日今日は部活が休みなので俺は今ランニングをしている。


ざっと三キロぐらい走る予定だ。


体力は自己ベストを出した中学の駅伝の時よりも体力が落ちてるのを感じた。


やっぱり毎日走った方がいいな。いつか先発で投げるだろうし。

下半身のトレーニングにもなるから。


今日はこの後投げる予定もあるだから俺はリュックを背負って走り込みをしている。


流石にリュックを背負ったままだと疲れるわ。


それから何分か走り俺はいつも投げ込んでいる公園に着きアップとマエケン体操を始めた。


ふぅ~これで肩甲骨大分ほぐれたな。


俺はグローブを持ってまずは近い距離から投げた。


今日は調子がいいみたいだ。俺は数十級投げ込んでマウンドの距離になったらベースをリュックから出しベースをおいて、まずはアウトコースに投げる。


このかベアてこそが俺がコントロールを磨いた秘訣だ。


何十球か投げて後十球ぐらいて終わらせようと思ったとき、公園に人が入ってきたので俺は投げるのをやめた。


ん?あの雰囲気ねるに似てるな。俺は近ずいて横顔をみた。


やっぱりねるかどうやらメガネをかけてる成果か、ねるは俺に気付いてないようなので驚かせることにした。


俺はそーと近づきねるの肩をポンポンと叩く。


するとねるは氷のような眼差しで俺を見た。


うわーねる知らない人が話しかけようととするとそんな目をするんだな。俺がいる時はそんな目をしてないから男避けとして役にはたっているのか。


するとねるは俺の顔をジーと見て何かを見極めようとする表情になった。


「もしかしこうくん?」


「そうだぞ。やっと気付いてくれたか」


「こうくん目悪かったんだね。あれでも授業中メガネかけてないよね?もしかしていつもはコンタクトしてるの?」


「そうだな、コンタクトをほんとはしたくないんだが家でメガネつけまま勉強したら身が入らなくてな。仕方なくコンタクトをつけてるんだ」


マジで今もコンタクトをつけるときにびびりながらつけているからな。メガネで勉強できればびびらないですむのに。


「ふうーん、こうくんコンタクト苦手そうだよね」


やっぱり長年一緒にいたねるなは俺の苦手そうなものも分かるか。


「こうくんってここで練習してたんだね。なんかグローブ見てるとキャッチボールしたくなってきたけどグローブないからね~」


「グローブならあるぞ」


俺はリュックからグローブを取り出しねるに渡した。


「久々にキャッチボールしようぜ。硬式球しかないが」


「いいよ。楽しみだなーこうくんの球って綺麗な回転で好きなんだよね」


俺は距離をあけて笑顔を向けながら


「綺麗な回転を意識してるからそういわれると嬉しいな」


俺はボールを軽くねる向かって投げた。


「そうだ。こうくんスライダー投げてみて」


俺は分かったと返事をしてスライダーを投げた。


「やっぱりこうくんスライダーを投げるとき一瞬チラッとボールみてるよ」


マジかそんな細かいところに気付いていたのか。やっぱりねるは侮れないな。

というかねるなら中学生のと気に癖かあったら気付いてるはずだから恐らく高校生なってからついた癖だろう。そういやスライダーの握り変えていたんだった。つまり握りを変えて不安で無意識みていたってことか。


「ねるありがとな、それにしてもよく気付いたな」


「こうくんのことを撮った映像を見返してたときに気付いたんだよ」


ああそういや撮っていたんだっけ一回しかみてないな。もう一回チェックして確めてみるか。


「それにしても硬式ってこんなに固いんだね。でも縫い目がちゃんとしていて投げやすいね」   


ねるは俺の構えたコースにしっかりと投げながら言った。相変わらずコントロールいいよな。流石少年野球のときにピッチャーをやっていただけあるな。


「まぁ軟式はゴムだしな。縫い目がしっかりついている方が指にかかって投げやすいだろう」


俺もしっかりとねるの構えたコースに投げた。


それから二十球くらい投げて、ねるはなれていないから肩が痛くなるだろうと思い最後に近づきながらボールを投げて終わった。


「ねる中々いい球だったぞ」


「ありがとうこうくんに誉められるなんて、周一で投げといて良かった~」


投げていたのか、どうりであまりブランクを感じないフォームと球だったんだのか。


「どうするもう帰るか?」


「そうだね身体も動かせたことだし帰ろう」


俺はねるからグローブを受け取り帰る準備をした。


「よし準備出来たし帰ろう」


俺たちは公園を出て、家に向かった。


ここから家までだいたい徒歩6分ぐらいだ。


するとねるはなにかを思い出したような顔をした。


「こうくん模試大丈夫なの?特に数学とか」


「ふっ、俺は数学は捨てた男だからもちろん勉強しないぞ」


俺は数学は苦手で捨ててる。受験になったら勉強すればいいだけだからな。まぁたぶん数学が共通テストしかない国立を受けるだろうが。

つまり本番でも数学IIBは捨て教科にしても問題ないってことだ。


「こうくん模試で30点以下は補修があるって数学の先生が言ってたからそれは無理だよ。数学の補修で一週間部活休みたくないでしょ。夏近いんだから」


何だと、数学の補修があるのかそれは不味いくそなら勉強するしかないのか。


「ねる様数学を今日教えてください。お願いします」


俺は90度に綺麗に頭を下げた。ふっ俺は頭を下げるのにプライドなんてその辺の犬に食わせたからな。頭を下げることはむしろ得意なレベル。



「仕方ないねー教えてしんぜよう」


ねるはそう言った後目を細めて微笑んだ。


「ありがとうねる」


「その代わりびしばしいくのと、今度デートしてね」


「ああ、夏が終わったら行こう!」


「約束だからね。忘れないでね!」


俺はにっこり笑顔を浮かべながらああ約束だと言った。




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