第39話

俺は制服に着替え終わって寝るの待つ校門に向かった。

既に部活の人には俺とねるか幼馴染みなこたはしれわたっているので久し振りにねるに一緒に帰らない?と言われ一緒に帰ることになった。


校門まで来るとねるか携帯をいじりながら待っている。そこだけが絵画のようにねるが中心となっているような美しさを感じた。


ねるは絵になる美少女だな。俺はそんなねると幼馴染みで本当に幸せ者なんだろうと思いながらねるに近づいた。


「ねるお待たせ、帰ろうぜ」

俺はねるの肩ポンポンと優しく叩いて言った。


ねるは顔をあげて俺の事を見るとうれしそうに微笑みながらうんと返事をした。


俺達は久々に一緒に歩いて軽い雑談をしながらねるの笑った顔などを見て楽しんでいる。


『その顔ももう少しで陰るから気を付けろよ』


陰るってどいうことだ?何がねるの身に起きるんだ?教えてくれ。


『それは自分で気づかなきゃ俺の存在が消える可能性がある。そうすると取り返しがつかなくなる。だから自分で気づけ、ついでに俺の正体にも気づけばお前はうまくやっていけるはずだ』


お前の正体?俺の事をよく知っている。知り合いが幽霊にでもなったのか。でもこの声はどこかで聞いたことがあるが誰なんだいったい。


「こうくん?もう駅についたよー」


俺は深く考え込んでいたらしい。ねるに肩を叩かれて駅についていることに気づいた。


「もう着いたのか、悪いな考え込んでいて途中から話し聞いてなかったわ」


「ううん別にそれはいいんだけど。最近こうくんボーとしてるときが多いなって心配で」  


上目遣いで俺の顔を心配そうに覗き込みながら言った。相変わらずあざといな。まぁそれがいいんだけども。


「大丈夫だ。最近んがえることが増えただけだから」  



嘘は言ってない。最近ねるのことを考えることが増えたのは本当だからだ。


「そうならいいんだけど何かあったらいつでも言ってね」


この優しさは俺だけではなくみんなに向けているものだ。ねるは優しい。

俺はそんな優しさを独占したいと思っている。

幼馴染みなだけなのに独占したいって、ねると幼馴染みだけでも奇跡なのに欲張りだな。

最近俺らしくなくない欲がでてくるな。

まぁこの事はおいといて大会に集中しないと。


「あ、そうだ今度櫻坂の握手会いくんだけど一緒に行かない?」


ねるは櫻坂の大ファンだ。俺もだけれど。

だけどねるは櫻坂の最終オーディションで辞退してる。母親の反対にあったからだ。

そんときねるは自殺するんじゃないかと思うくらい落ち込んでいたから俺は焦りながら励ました。


ねるには声優ならアイドル的な活動もできるしどうだ?と言ったら声優を今度は目指すと言って立ち直った。声優のオーディションがあったら受けさせてほしいと俺が土下座でねるの母親に頼み込んだら渋々オーケーをもらいたち直させることできたが。 ちなみに母親がアイドルに反対したのは握手会で罵倒するファンや凶器を持ってやってくるファンがでると言うニュースを見たかららしい。だけど声優は芸能界とは別の業界みたいなものだからオーケがもらえた。そんな経緯があるのにねるは悔しさもあるはずなのに櫻坂のファンをやっているからすごいと思う。


「ああ、いいぞ。るんの握手券は取れなかったがグッツは買いたいしな」


あのぱっちりした目がチャーム歩インドで俺はるんの大ファンなのだ。同級生にいたら速攻告白して振られちゃうレベル。

いや振られるのかよ。告白したってダメージが増えるだけじゃん。同じ学校じゃなくてよかったわ。


俺は携帯で時間を確認した。


「そろそろ電車来る時間だぞ。行くか」


俺達は改札を通りちょうど少しすると電車がきたので乗った。


俺達は空いてる席に座った。 


俺はふと疑問に思ったことを聞いた。


「ねるは期間限定でマネージャとかやらないのか?野球好きだろ」


ねるは俺の影響なのか、野球にすごく詳しい。

自分の好きな球団のマイナーな選手の特徴まで知っているレベル。あとは高校野球も県内の注目選手のことも知って胃くらい野球好きだ。


「ううん入らないよ。見てる方が自由に動けるしね。....あとはこうくんのプレイを集中して見たいからね」


最後の方の呟きは聞こえなかったが。まぁねるは外から選手の成長をみたいタイプだからな。


「それならいいんだが、知ってる選手の情報は教てくれ。部で共有して対策を練って対戦に臨みたいから」


「いいよー、情報は私に任せてよ。他の高校の偵察にも行ってくるよ」


ねるそこまでやってくれるのか。持つべきものは幼馴染みだな。


「頼むぞ、期待してるから」


「うん、任せて」


ねるは目を細めた俺の大好きな笑顔になり言った。


ああ、俺はこの笑顔のためならいくらでも頑張れる最低でもベスト8をめざすか。


俺は電車に揺られながらそんな決意をした。


俺達はそれから野球の話題で盛り上がり、ねるから今知っている注目選手の弱点を聞いたりして有意義な時間を過ごした。


するとあっという間に馬橋駅につき俺達は降りて、定期券を駅員に見せて駅をでた。


携帯を見ると友香からラインがきていた。


どうやらネギを切らしてる買ってきてほしいと書いていた。


「ねる俺はそのままコモディに行くがどうる?」 


「私もついていくよ、アイス買いたいから」


一緒に買い物した時にパートの叔母さんからなかがいいカップルねーと言われねるが赤面しながらうれしそうな顔をしていた。


いつもだったらそんなに仲良く見えるのかと思うのになぜか俺もうれしく感じたのだった。





 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る