第40話

投げ始めて一週間ちょっとたっていよいよ実践で登板するときが来た。


この一週間はまさかの出来事があった。俺が投げていないときに実践形式のバッティングで弱点をねるに指摘されたイケメンが勘違いをして告白したらしい。


どうやら自分の事を見てるから好きなんだと勘違いしたらしい。実際はチームの底上げのために情報を教えてくれと頼んだだからなんだが。イケメンを勘違いしてすぐに告白させるってねる美少女すぎだからだろうな。

まぁイケメンはモテるぶん自意識過剰な部分がある。


ちなみにイケメンは振られた。初めて振られたらしく数日間は同じ部活の奴らにからかわれていた。


イケメンだがそれを笑って流せる人だったからか逆恨みはなさそうだった。イケメンだと振ら振られたことがしれわたると、その人を好きな人から嫉妬されてなにか嫌がらせをされる可能性があるが、解くに噂になっていないらしく被害はなかった。だがイケメンが振られるのはやっぱり気持ちがいいな。そんなことを電車で考えていた。


「こうくんいよいよ試合で登板するんだね。楽しみだなー」


隣にいるのはねるだ。わざわざ朝早くおきて見に来た。


俺は登板するのは六回からだから遅くきてもいいぞと言ったが肩を作ってるときから見たいんだもんと言われ着いてきた。


「楽しみなのはありがたいが敵の情報も集めてくれよ相手は強豪校の市立柏なんだからな」


なぜか去年までうちは弱小だったのに試合を組んでくれた。俺達のチーム力がわかるってどっかで偵察でもされているのか。


「その辺は抜かりないよちゃんとノートも持ってきたよ」


ねるはリュックから中学時代に使っていた野球研究ノートをだして見せてきた。


「調べ直したんだけど県選抜に選ばれてた住友くんが市柏にいるらしいよ」


「弱点はわかるのか?あいつ苦手なコースがないように感じたんだが」


ねるはノーとをめくって目当ての内容があるところのページで止めると俺に見せながら喋り始めた。


「インコース全般が弱点だね。インコース投げれるピッチャーは中学時代にあまり多くなかったから目立たなかったんだろうね。だからこうくんは一緒に一時プレイしたのにわからなかったんだよ」


インコースか確かに敵チームに投げ分けられるのは少なかったな。たまたまあってもファウルにしてたしな。


「インコースか、スライダーでえぐってみるか」


「いいと思うよ。変化球も得意ではなかったしね」


長沢先輩と話し合うか、他はあるのだろうか。


「他にいるか知ってるの?」


「うーんいないかな、後はシニア出身が多いみたいだから」


シニアか、流石強豪だな。うちなんて軟式出身者が大半だしな。まぁそれが普通だと思うんだが。だけど今日の試合で弱点が見つかるだろうから公式戦で当たったときは大丈夫だろう。


ねるの情報力は一日あれば十分なほど情報を抜き取れるからだ。

とりあえず怪我をしないように着いたら入念に準備をするか。


「こうくん着いたみたいだよ」


どうやら話してるうちに着いたらしい。俺達は電車を降りて改札でスイカをタッチして出て、市柏に向かった。




談笑をしながら歩いていると市柏に着いた。


「ここかやっぱりグラウンドはでかいな」


「そうだね、こんな良い所で練習したら強くなれるよね」


まぁ、人を集めているとか色々要因はあるがな。俺はでかいグラウンドを眺めていると、後ろから肩を叩かれた。


俺は後ろを向くとそこには長沢先輩が笑顔でたっていた。


「おはよう好希、早いな来るの」


「久々なのでちょっと走うかなと思いまして、長沢先輩こそ早いですね」


「キャプテンだからな誰よりも早く来て準備をしなきゃならないと思っているからな」


うちの監督はたしか相手の先生と話すから早く来るのだ。だから道具を車から下ろすのが早い。なので長沢先輩は早く来たのだろう。


「まぁ実際は惇のほうが早いがな」


あいつやっぱり早く来てるのかまぁ暑苦しいしいし。誰よりも努力として準備も怠らないだろうし。


「まぁあいつは特別ですよ。あんなに野球に熱い人は見たことがないですね」


「まぁなもうちょいそれを勉学に向けてほしいんだがな」


あいつ赤点ギリギリなのか。まぁ野球にやる気が振りきっているもんな。そうなるとよくうちの学校にはいれたよな。一応進学校だし。


「進級は大丈夫ですよ、野球やれないのが何よりの苦痛だと思うので」


「それもそうだな、好希は走るのか?」


「はいちょっと外周を走ってきます。ねる、ナンパされるかもしれないから長沢先輩と一緒にいてくれ」


「わかったよー。長沢先輩と荷物だすの手伝いますね」


「ああ助かるわ。だけど思い荷物は俺が運ぶからな」


「じゃー俺はちょっと走ってきますね」


俺はそういうとこの場を離れ門をでて外周を走り始めた。


少したつと熱血が見えてきたので少しペースをあげてならんだ。


「おはよう熱血」


「おう好希ではないか、お前も気持ちが昂りすぎて走っているのか?」


相変わらず熱い男だ。毎試合こうなのか。よく体力が持つな。


「まぁそれもあるが、久々だし準備は入念にしようと思ってな」


「ふむ、硬式での試合が初めてなんだよな」


「そうだ、だから打たせて取るからしっかり守ってくれ」


「任せろショートに飛んできたらどんなボールでも取ってやる」


頼もしいな。熱血なら本当に全力プレーするだろうし、守備に定評があるから投げていて安心感がある。


「頼むな俺は後二週ぐらいするがどうする?」


「俺も着いていくぞ」


俺達はそれから無言でペースをあげて二週を走りきった。





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